中央線沿線は大卒率が高い

 首都圏の他の市区町村はどうでしょう。1都3県の243市区町村の大卒人口率を計算してみると、最高の53.4%から最低の5.2%まで幅広く分布しています。これを地図に落としてみると面白い。20%未満、20%台、30%台、40%以上という階級を設定し、それぞれの市区町村を濃淡で塗り分けたマップにすると、図2のようになります。

 首都圏の大卒人口率マップですが、いかがでしょう。東京の都心で色が濃く、周辺部に行くほど色が薄くなります。20世紀初頭のシカゴ学派の同心円地帯理論を想起させる模様ですが、日本でも階層による地域の「すみ分け」はあるようです。地価とも関連しているでしょう。都内をみると、東西に濃い色の帯が伸びていますが、中央線沿線は高いのです。

 東京以外では、横浜市の北部、文化の街・神奈川県三浦郡葉山町、ディズニーランドがある千葉県浦安市などが濃い色になっています。

千代田区、港区、文京区、中央区、武蔵野市は半数が大卒

 地図では大卒人口率が高い地域の分布しか分かりませんが、大卒の住民が多いのはどこかという、具体的な顔ぶれも見たいですね。そこで、243市区町村のうち大卒人口率が上位50位の地域を抜き出し、高い順に並べたランキング表を作ってみました。

 上位5位は、都内の市区で占められています。住民のおよそ半分が大卒者です。都心の高学歴率は高いですねえ。

 6位は、横浜の高級住宅街として知られる青葉区。7~10位は都内の区が続き、11位は川崎市の麻生区です。私が住んでいる多摩市の隣に位置し、小田急多摩線でよく通るのですが、小奇麗な家が並んでいるなという印象を持ちます。

 私の母校・東京学芸大学がある小金井市も、上位にランクイン。私は大学近くの安アパートに住んでいましたが、ちょっと自転車で走るとものすごい高級住宅地でした。こういう地域で子育てをしたら、わが子も自ずと「ハイソ」な色に染まるかしら、と思ったのを覚えています。

 「自分の地域が見当たらない」という方もおられるでしょうが、スペースの関係上、上位50位ほどしか紹介できません。後日、私の個人ブログで243市区町村の大卒人口率をアップしますので、興味ある方はご覧ください。