「知ろう小児医療 守ろう子ども達の会」代表の阿真京子です。昨年私は、厚生労働省の「子どもの医療制度の在り方等に関する検討会」の委員となり、自らも学びながら考えをまとめていく一方で、たくさんの方から子どもの医療費についての様々な意見が寄せられました。

 「100円でも200円でもいいから、医療費は自己負担にすべき。コーヒー1杯でも100~200円かかる。本当に払えないなんて人はわずかでは?」
 「携帯電話代になら毎月1万円払うのに、医療費には払いたくないという人がたくさんいる」
 「タダより高いものはない。物事には必ず対価がかかることを知る必要がある」
 そんな声も届きました。

 医療費の無償化は、「子どもを産み育てることを社会全体が応援しているメッセージである」という声がある一方で、「受診回数を増やしたり、不要な受診を生んだりするのでは」という指摘があります。今回は子どもの医療費の無償化について、皆さんと考えていけたらと思います。

都道府県と自治体が医療費を負担してくれる乳幼児医療費助成制度

 病気やケガをして医療機関を受診した際、健康保険が負担をしてくれるため、未就学児(小学校に入学する年の3月まで)は2割、小学生以上は3割が自己負担となっています。

 けれども実際には、子どもが一定の年齢になるまでは無料で医療を受けられることが多いのは皆さんご存じの通りです。支払うべき窓口負担を、都道府県と市区町村が代わりに支払ってくれる「乳幼児医療費助成制度」があるためです。

 子どもが小さいうちは熱を出したり、成長期にはケガをしたりして医療機関には何かとお世話になるものです。子どもの医療費は、家計に大きな影響を及ぼします。

 改めて、課題となっていることを整理してみます。