日経DUALから、「保活」に役立つムック『保育園に入りたい!2017年版』を発売しました。
昨年とは違う今年の対策と傾向や、誕生月によって入園への道のりが違ってくる「保活年間スケジュール」の解説、園見学に持って行ける便利なチェックシートなど、ノウハウがたっぷり。もちろん、複雑な保育園の種類を整理して説明するほか、申し込みの方法、待機児童になってしまった場合の次の一手、ママの仕事復帰で準備すべきことなどについても優しく解説します。保活ビギナーのママ&パパだけでなく、出産を控えた同僚や後輩へのプレゼントに最適です!
『保育園に入りたい!2017年版』の一部を掲載します。保活中の方、これから保育園を探す方、ぜひご一読ください!
強力な子育て支援機関としての認可保育園
認可保育園には、大きく分けて公立(公設公営)園と、私立園があります。私立園は個性が豊かで、研究熱心な園では保育の質が特に高いところも見られます。また、長年にわたり地域に根づいて愛されている園もたくさんあります。
ただし、民営化がどんどん進み、公設公営の公立保育園がなくなってしまいそうな自治体については疑問を感じます。市区町村が直接運営する公営保育園は、市区町村の子ども施策の手足となり目や耳となるものだからです。
市区町村が保育現場の問題を吸い上げて、地域の子どもや家庭のニーズを捉えた子ども施策を行うことが、今とても重要になっています。子どもの貧困問題や児童虐待などの問題が起こっている今こそ、最も強力な子育て支援機関である認可保育園を拡充し、その核として公設公営園を残すべきだといえるでしょう。
自治体によっては公設公営の保育園の価値をしっかりと位置付けているところもあります。例えば、神奈川県相模原市は民営化に当たって、残る公設公営の保育園を各地域の子育て支援拠点として活用していくことを明言しています。
公設公営園の民営化は保育士不足に拍車をかける
また、保育士不足となっている今、公設公営園の民営化を行うのは逆効果ではないかとも考えられます。
給与などの待遇が安定している公設公営園を目指す保育士志望者は多いと思うのですが、その受け皿を減らし、せっかくのベテラン公立保育士を他部門に回してしまうのはもったいないことです。
一方、公立園を受託した民間法人は、保育士の取り合い合戦に参入しなければならず、ますます保育士不足に拍車をかけるようになってしまいます。
この意味では、公設公営園の人材育成機関としての役割も大きいと思います。保育現場で経験を積んだ職員が、認可外保育施設の巡回指導に従事しているケースも見られます。今後、小規模保育や家庭的保育などが増えて保育は多様化していきますから、これらの保育施設を指導したり支援したりすることも、市区町村の重要な役割になっていくでしょう。
(本文/普光院亜紀 イメージカット/鈴木愛子)