余命2カ月を宣告された母が「絶対にやる」と誓ったこととは?

 余命2カ月を宣告された母が、家族への深い愛情を持って残された時間を懸命に生きる物語。

 家族で銭湯を営む幸野家。ところが、父・一浩(オダギリジョー)が1年前に家出をし、銭湯は休業状態に。母・双葉(宮沢りえ)は持ち前の明るさと強さで、パートをしながら娘の安澄(杉咲花)を育てていましたが、ある日突然倒れ、病院で末期がんのため余命が短いことを知らされます。

 ショックを受け、途方に暮れる双葉でしたが、「絶対にやっておくべきこと」を実行しようと自分を奮い立たせます。探偵の滝本(駿河太郎)に依頼して一浩を見つけ出した双葉は、銭湯を再開するべく夫を連れ戻しますが、一浩には安澄のほかに鮎子(伊東蒼)という娘がいることが発覚。双葉は一浩を責めたい気持ちを抑えつつ、鮎子も家に迎え入れるのですが……。

双葉は一浩に余命わずかだと伝え、安澄と鮎子と4人で暮らし始める
双葉は一浩に余命わずかだと伝え、安澄と鮎子と4人で暮らし始める

 宮沢りえさんが、何があっても娘を守ろうとする熱い愛情を抱く主人公“おかあちゃん”を熱演。双葉は、松坂桃李さんが演じる、人生に迷っている見知らぬ青年・拓海にも手を差し伸べ、双葉と出会ったことで好青年へと成長していく拓海の様子を見ているだけで胸が熱くなります。

出会う人すべてに愛情を注ぐ双葉
出会う人すべてに愛情を注ぐ双葉

 そんな双葉から愛情を注がれた家族や周囲の人々は、彼女をどのように見送るのか……? 驚きと感動に満ちたラストは必見です。

(取材・文/清水久美子、撮影/小野さやか)