―― 撮影中に何か印象的だった出来事はありましたか?

駿河 僕はシングルファーザーの役なんですが、中野(量太)監督が娘の真由役の遥ちゃんと「家族に見えるように仲良くしてください」とおっしゃったので、「はる」と呼んでずっと一緒に遊んでいました(笑)。試写のときに久しぶりに会ったら、「パパ~!」って寄ってきてくれて、うれしかったですね。

子役と本当の親子のように仲良くなったという駿河さん
子役と本当の親子のように仲良くなったという駿河さん

実生活では子どもを仕事場に連れていくことはしない

―― 駿河さんが演じた滝本さんは、娘の真由ちゃんを連れてお仕事に行きますよね。ずいぶん昔のことですが、私は幼いころに親の職場によく連れていかれたことを覚えていまして、とても楽しかったという記憶が残っています。親が仕事をする姿を子どもに見せることをどう思われますか?

駿河 滝本は(シングルファーザーであるという)事情として、仕事に連れていくのはしょうがないと思うんですが、僕自身としては、家を一歩出たら仕事モードになるので、子どもを仕事場には連れていかないですね。舞台をやっているときに、舞台の裏を見せたりはしますけど。家にいるときはパパモード、仕事場では仕事モードときっちり分けるようにしています。

―― 駿河さんは出演作が多く、映画やTVドラマや舞台などでたくさんご活躍されていて、お忙しいですよね。奥様もお仕事をされているそうですが、仕事と家事・育児のバランスをとるために何か工夫していることや、家族で決めているルールなどはありますか?

駿河 うちは奥さんが本当にしっかりしていて、結婚前、付き合いだした当初から、あんまり依存し合わないカップルだったんです。相手に何かを求めない関係というんでしょうか。結婚して子どもができて、現在は息子が小2で娘が3歳。もちろん僕も家のことをやりますが、仕事が忙しくて奥さんに任せてしまうときでもそれで「当たり前」だとは思わないようにしています。感謝の言葉をきちんと伝えることを意識しています。

 特に分担とかはせず、今日もそうだったのですが、仕事に行く前に掃除したり、食器を洗ったり、できる範囲で家事をやるようにして、奥さんがやらなかったら僕がやるというふうにしています。まあ、僕がきれい好きっていうのもあるのでしょうけど(笑)。手が空いているほうがやるという感じですね。お互いに、やっていないことに対して怒らないし求めない。ルールってわけじゃないけど、それがうちの決まり事かな。