揺れ続ける心
遺伝カウンセラーたちと話をしていても、「障害は不安ではない」という人はほとんどいないのが現実で、「私は、どんな子であっても育てていけます」と断言する人は少ないという。それでも、「まあ、何とかやっていけるでしょう」と考える人が大半を占めるのが、これまでの日本だった。
しかし日本の女性達も、検査技術が変わってきたいま、少し検査を受ける方向へ傾き始めたように見える。
NIPTが開始されて1年半経った2014年10月、キャリアウーマンを対象にした女性誌『プレジデント・ウーマン』(プレジデント社)は、楽天リサーチの協力を得て、「出生前診断を受けたいか、受けたくないか」の二択の形でアンケートを行った。20代後半から40代の「子どもが欲しい働く既婚女性」503人が答えている。
すると、「出生前診断を受けたい」と答えた人の割合は、30代後半が6割とずいぶん多かったが、次いで40代前半と20代後半がともに5割程度だった。若い人も出生前診断に関心が高い。若い人は子育ての負担を重く感じがちなのかもしれないが、それでも今後、世代交代が進めば、検査の希望者はさらに増加する可能性がある。
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引き続き、次回は、実際に出生前診断について葛藤した女性達の物語をお伝えします。
(イメージ写真/PIXTA)