「受ける」「受けない」 自由記述で書かれたさまざまな声

 このことから、日本の母親は、NIPTが登場しても誰もが飛びつくようなことはないと思われたが、しかし「さあ、次の子のときはどうしよう」と迷っている人は相当に多く、広大なグレーゾーンができていることを感じさせる結果でもあった。

 回答の理由を書いてもらう自由記述欄には、さまざまな声があふれていた。

 「受けない」と答えた人の声には、産む決心の固さを感じさせるものが多かった。

「障害があってもわが子に違いない」
「障害を知っても産むので検査は要らない」
「自然にまかせたい」

 といった、ニュースに動じていない声だ。

 「授かった命、誕生を待つだけでいままで通り出産すればいい。サポートシステムを整えないで、検査を発進するなんて、外国の真似をしているだけとしか思えない。出産した赤ちゃんを全身全霊で受け入れることが親の役目だと思う」と書いている人もいた。

 これに対して、「受ける」という人は、不安な気持ちを書いてきた。

「障害がある子は育てられない」
「高齢で確率が高く、自分たちの余命も長くはないので心配」
「妊娠中ずっと不安な状態でいたくはない」

 障害のある子が生まれた際の上の子どもへの影響については、「検査は受けない」という人からは「障害のある子を育てることで家族が得るものもある」という言葉があったが、「受ける」という人からは「自分達の死後に上の子が負担を負うのでは」という不安が寄せられた。

 どちらとも言い切れないという人からは、「これは、そのときになってみないと本当にわからない」という声がほとんどで、実際に出産するときの「年齢」や「心境」がわからないために答えられない人がほとんどだった。

次の子を妊娠したら、出生前診断は必要? その答えに、正解はない
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