花粉症やアトピーの人が増え、もはや日本の国民病ともいえる“アレルギー”。今、子ども達のアレルギーの実態はどうなっているのでしょうか? このたび、日経DUALでは子どものアレルギーに関するアンケートを行い、200人以上から回答を得ました。さらに、小児アレルギー治療の最先端で活躍する医師3人にインタビューを行い、最新の治療法やアレルギーの今後について伺いました。第1回はDUALファミリーのアレルギーの実態と、世界初の驚くべきアレルギー研究についてご紹介します。アレルギーっ子を持つ親の本音コメントも紹介します。

【子どものアレルギー最新大全特集】
第1回 食物・皮膚炎・ぜんそく アレルギーの仕組みは共通 ←今回はココ
第2回 食物アレルギーは入学前に9割直る その最新治療法
第3回 アトピー発症可能性は乾燥、食物、モダンライフ
第4回 ぜんそく児100万人時代コントロール&寝具改善を
第5回 お友達がアレルギー、何に気を付ければいい?
第6回 アレルギーっ子必携!友達の親向け「お知らせシート」
第7回 アレルギーっ子もOK!な給食の4大人気レシピ

【アンケート概要】日経DUALの読者を対象に2016年9月8日~10月6日にインターネット上で実施。234人(女性207人、男性27人)の回答を得た。回答者の平均年齢は39.1歳。家庭内の子どもの人数は1人が43.2%、2人が49.1%、3人が5.1%、4人以上が1.7%、0人が0.9%だった。子どもの年齢は0歳児15人、1歳児113人、2歳児48人、年少47人、年中41人、年長36人、小学生125人、中学生以上25人となっている。(注)記事中のグラフの数値で合計100にならないのは複数回答可のため。

「遺伝・バリア機能の低下・アレルギーを誘発する環境」がそろうと発症

 アレルギーには主に、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎、ぜんそく、花粉症、鼻炎、目のアレルギーなどがあります。症状は異なりますが、どれも基本的な仕組みは同じです。①遺伝的に「アレルギー体質」があり、②異物の侵入に対するバリア機能が低下したり、過剰だったり、未熟だったりして、③アレルギーを起こしやすい生活環境になるとアレルギーが起こりやすくなるのです。

 ②の「異物」とは、アレルギーの原因となるアレルゲンのことです。食べ物はもちろん、目には見えない小さなダニやダニのフン、死骸、ペットの毛、ハウスダスト、花粉、金属、薬、化学繊維、洗剤もアレルゲンになり得ます。私達はアレルゲンに囲まれて暮らしているのです。ただ、アレルゲンが身近にあったとしても多くの場合はアレルギーを発症しません。上記3つの条件がそろったときに、アレルギーになる確率が高まります。

 DUALファミリーへのアンケートでは、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎、小児ぜんそくの順に多く発症していることが分かりました。

 また、アレルギーを持つお子さんがいる人に「家族に何らかのアレルギーを持つ人はいますか」と尋ねたところ、「はい」という回答が約8割にも上りました。やはり、アレルギーは体質の遺伝も原因の一つなのです。