新説「身の回りの食べ物は避けずに口にしたほうがいい」

 アレルギーを発症する要因に「異物の侵入」があるのなら、食物アレルギーを予防するには、アレルゲンとなる可能性のある食べ物を食べなければよいのでしょうか? 従来であれば、小児科医や助産師からそうアドバイスされる人も多かったでしょう。しかし、今日では最新の研究によって、まったく反対のアドバイスが行われる可能性が出てきています。

 国立成育医療研究センター・生体防御系内科部アレルギー科医師の福家辰樹先生はこう話します。

 「食物アレルギー予防するためには、身の回りにある食べ物はあえて避けずに口にしたほうがいいかもしれません」

 実はそれを裏付けるような、注目すべき実験データが英国、続いて日本で発表されているのです。

 英国ではピーナッツアレルギーについての研究が行われ、「ピーナッツ消費量の多い地域では、離乳食でなるべく早くピーナッツの摂取を開始したほうが食物アレルギーを防ぐことができる」という結果が発表され、世界的なコンセンサスが生まれました(詳しくは、来週月曜に公開予定の記事「食物アレルギーの子に医師の『少し食べてみて』は危険!」にて紹介)。

 日本では卵の食物アレルギーについて、現在、同アレルギー科医長・大矢幸弘先生を中心として臨床研究が進められ、日本人の赤ちゃんでも、やはり卵において同様の結果が出ているようです。

 ただし、これまでの海外のグループが行った乳児期から卵を与える研究では、少なからずアナフィラキシーを起こす赤ちゃんがいたり、はっきりした有効性が認められなかったりしたものもありました。しかし、大矢医長によると、アトピー性皮膚炎の赤ちゃんでも塗り薬で皮膚をしっかりきれいな状態にしていれば、適切な時期から離乳食をスタートさせ、卵アレルギーを予防できるとして、世界初の研究として大変注目されています。

 今、小学生を育てている親達が離乳食を作っていたころは、「アレルゲンになりやすい卵や肉を子どもに与えるのは遅めに」という風潮がありました。それがガラリと変わる可能性があるのです。これから子育てを始めるという夫婦にとっては、今後の情報も要チェックです。


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