秋の行楽シーズン。少し涼しくなってきたこの時期に、家族でキャンプに行って、自然のなかで家族でたき火を眺めながらいろんな話をしてみたいと思うパパは多いのではないでしょうか? とはいえ、いざ、キャンプをやろうにも、テントを設営するような本格的なキャンプは未経験。いったい何からそろえればいいのやら、悩んでしまいがち。

 そこで、「OUTDOOR For Everyone!」をテーマに、“ソトで遊び、ソトで食べて、ソトで育てる”「ソトイク」を提案するサイト「PAPA Presents」(パパプレゼンツ)代表で、アウトドアマスターでもある板谷俊明さんに、パパ主導のファミリーキャンプの極意について取材しました。板谷さんが運営するプライベートキャンプ場「富里キャンプ基地」(千葉県富里市)にパパライターが、娘と妻の3人家族でキャンピングカーに乗って突撃! 2人の娘のパパでもあるキャンプの達人・板谷さんのファシリテーションを受けつつ、ファミリーキャンプの楽しさを体感してきました! この記事では、友達家族と一緒にキャンプに行ったとき、キャンプ初心者のパパはどんな動きをすればいいか…?というお話を紹介します。

【パパ主導で秋冬キャンプに行こう!特集】
第1回(上) パパ主導でキャンプに行くと、家族が仲良しに
第1回(下) 友達家族キャンプで活躍できるパパ、いらないパパ ←今回はココ
第2回 ファミリーキャンプで最初にそろえるべき厳選ギア
第3回 キャンピングカーを借り買い出し いざキャンプへ
第4回 パパ必見!テントの選び方&スマートな設営方法
第5回 パパのアウトドア料理は、豪快かつシンプルに!
第6回 秋冬のキャンプに欠かせない、たき火を楽しもう

立ち位置を見つけて動くことが重要!

パパライター・國尾 複数家族でのキャンプとなると、親同士のつながりも深くなりそうですね。

板谷俊明さん(以下、敬称略) それは確実にあります。普段、幼稚園や保育園、小学校といった世界では、どうしてもパパよりママ主導の世界です。ですので、パパにとってのパパ友というのは、ママ主導のパパ友だったりすることのほうが圧倒的に多いことでしょう。気づいてみれば、ママ同士が仲がいいとか、子ども同士が仲がいいから、そこにパパがくっついてくるといったパターンになりがちです。

 男性は女性より横のつながりを作るのが苦手とされていますが、確かにパパの場合は、最初に知り合ったころは、お互いに警戒する感じで、「お仕事、何系なんですか?」などと聞いて、「IT系です」と答えが返ってくる。IT系といったって、死ぬほどいろんな職種があるから、ぼんやりとしか分からない。後で、ママ経由で、「あのパパ、大企業勤務らしいよ」と聞く。それでもなかなか打ち解けず、何回か飲み会を重ねたりして、だんだん打ち解けるみたいな流れになるものです。

 ところが、そういうまどろっこしい過程を経なくても、キャンプに一緒に行って、何となくたき火を囲みながらリラックスして話をしていると、イッキにその距離は縮まります。打ち解けてくると、その人のキャラクターも分かってくるので、次にキャンプにみんなで行くときには、役割分担もしっかりと明確になっていって、アウトドアが得意で最終判断をするなど、幹事役的な人が出てくる。そうなると、その家族はだいたい、アウトドアの世界にハマっていって、キャンプをどんどん楽しむようになりますね。そして、パパ同士の本当のつながりが生まれて、一生のパパ友になれることでしょう。

 実は、パパ主導のファミリーキャンプにおいて、一番、要らない人というのがいます。それは、とにかく、“動かない人”です(笑)。みんなで何かやろうってなったときに、ボケーっとしているパパですね(笑)。

 例えば、これからタープを張るぞっていうときに、アウトドアの経験がなくても、ちょっとポールを支えて手伝うといったことも重要だったりする。そういうのもやらないパパというのが、タマにいるものです。ほとんどの人は、経験がなくても、自分の立ち位置を見つけて、とにかく動く。しかし、その立ち位置を見つけられないパパは、アウトドアではダメですね。

 ファミリーキャンプでは、アウトドア経験あるなしにかかわらず、自分の立ち位置、役割を見つけて動くことが重要です。みんなをまとめる幹事役や、アウトドアのエキスパートだけではなく、盛り上げ役など、何でもいいのです。イケメンパパが、ママ担当で、すっとママたちの会話に入っていって盛り上げるといったことでもいいわけです。

 普段、決まったルーティンワークばかりして頭が固くなっているパパならば、キャンプのときはしっかり頭を柔らかくしてから、臨んでほしいと思います(笑)。立ち位置を見つけられずにオロオロするパパというのが、ファミリーキャンプにおいては、一番、不要な存在なのです!

 板谷さんのパパ友メンバー キャンプ時のキャラ別役割分担例

 幹事長(宴会部長)
 キャンプの企画立ち上げから、各家族への連絡調整など、ファミリーキャンプという名の宴会の取りまとめ&調整役。
 アウトドアエキスパート
 アウトドア経験豊富な人が担う。天候不順のときなど、重要な最終判断も担う。火起こしなど、アウトドア経験豊富な人が担いつつ、経験の浅いメンバーをサポートする。
 盛上げ役(太鼓持ち)
 アウトドア経験あるなしに関わらず、盛り上げることが得意な人なら、誰でも可。
 奥さま担当(イケメンとマイルド)
 パパ主導のキャンプの場合、ママたちを盛り上げることは重要な任務。パパたちがアウトドア料理を作っている合間に、ママたちの会話にスッと入っていって盛り上げることができる人が適任。ママにウケるイケメンパパ、もしくはマイルド系キャラが適任。
 子ども担当
 ひたすら、子ども目線で一緒になって楽しく遊べるパパが適任。アウトドア経験がなく、ママとの会話が苦手な人でも可。
 料理担当
 アウトドアでの料理経験豊富な人が適任だが、普段、料理を作っているパパであれば、アウトドアエキスパートのサポートを受けつつ、充分、活躍できる役割。

<次ページからの内容>
・子どもと行くキャンプと、大人だけのキャンプは全然違う
・子ども同士のケンカが始まったときは
・楽し過ぎて子どもが寝ない! どうする?