子どものパパに対する目線がキャンプで変わる

—— 板谷さんは、パパ主導のキャンプを強くオススメしていますが、やはり、パパが頑張って主導するキャンプはメリットがあるのでしょうか?

板谷 ボクはもともと広告代理店で働いていたので、仕事柄、プレゼンをするのが得意なんですよね。しかし、家庭内においては、パパとして活躍できる場所がなかった(笑)。

 しかし、アウトドアとか、ファミリーキャンプというのは、パパが頑張っていれば、プレゼンできる、つまり存在感を示すことができる最高の場だと思います。

 突然、「キャンプに行くか!」と言って、キャンプ場に着くと、チャッチャと動いて、楽しいアウトドア体験をさせてくれる。そんなレベルにまで到達すると、子どものパパに対する目線がずいぶん変わると思うんですよね。やはり、アウトドアの場面で、自分のパパが頼りになるなあと実感できると、誇らしいと思ってくれるようになるじゃないですか。

 14歳と11歳の2人の娘がいますが、いろんなところでキャンプをしましたし、キャンピングカーで国内の世界遺産巡りなどもしてきました。特に女の子の場合、思春期になると、パパは娘から敬遠されるといった話を聞きますが、キャンプをたくさんしていると、そういったこともありません。いまだに一緒に寝たりするくらい、仲はいいですし、避けられたりすることもないです(笑)。

 やはり、アウトドア体験をパパ主導でやることによって、パパの存在感を見せることもできるし、いざとなったら、パパが全力で守ってくれると思うようになる。その結果、親子の信頼関係や親子の絆といったものが、しっかり築けるようになっていくのではないかと思いますね。

 そういう面でも、私はたぶん、この先も大丈夫なんじゃないかな、と思っています(笑)。しかも自然に触れる体験を積み重ねていくことによって、子どもだけではなく、親も“生きる力”みたいなものが共に育つといったメリットもあるのではないかと思います。

 最近は会社経営に忙しく、全国を飛び回っていて難しくなってきましたが、特にサラリーマン時代は、平日しっかり働いて、週末は子ども達とどっぷり関わりたいと思っていました。でも家の中にいるだけなら、服のたたみ方やら、どこに何がしまってあるのかも分からない。家族からすると、パッとしないパパかもしれませんが、唯一、パパである自分がカッコ良くいられる場所というのが、アウトドアなんだと思うようになりました。