キャンプ初心者が陥りがちな落とし穴

—— キャンプ初心者が最初に陥りがちなパターンなど、ありますか?

板谷 後に詳しくお話ししますけど、皆さんだいたい、キャンプに行くぞとなると、最初に「テントをどうしよう?」って言い始めるんですよね。そして、とりあえずお手頃価格のテントを買ってみたものの、キャンプ場で他の人のテントを見ていると、もっと調べて、最初からいいテントを買っておけば良かったなんていうことは、よくある話です。

 けっこう大きな出費なのに、後で後悔するのはもったいないですよね。しかも、結局、あまり使わなくて、よく乾かすことなく袋に入れてほったらかし。翌年、使おうと思って開けてみたら、カビてしまっていて、もう使えないとか……。

 だから、初心者向けキャンプ講座などでは、「テントはキャンプ用品のなかでも最後に買うもの。最初はレンタルして、いろんなタイプのテントを試してください」と言っています。テントは、大きな出費になりますから、最初はレンタルでいいんです。試してみるなかで、最終的に気に入ったテントを買って、どんどんファミリーキャンプにハマっていくのが一番いいと思います。

 そういうこともあって、この富里キャンプ基地には、キャンプ用のギアはすべてそろっています。テントも様々なタイプのものが置いてあって、試してもらえる。基本的には、その身ひとつで来ていただければ、大丈夫という体制になっています。

 とにかく、最初は、最低限のモノだけそろえるだけでいいんです。そのうえで、初心者の場合は、無理にキャンプ用品をそろえようとするのではなく、なるべくレンタルするようにする。自分たち家族だけで行く場合は、レンタルが充実しているキャンプ場を選ぶのがいいでしょう。複数家族で行く場合は、キャンプ経験のある家族に頼るようにするのがいいですね。

 あと、季節的なことで言えば、キャンプというのは、夏というイメージを持つ人が多いのですが、実はキャンプ経験豊富な人は、あまり夏にキャンプはしません。ファミリーキャンプの場合、子どもの夏休みということでしょうがない部分もありますが、やはり、夏だと暑いですし、虫も多い。本当に楽しいキャンプは、涼しくなってからのほうがいいでしょう。

 キャンプの醍醐味は、やはり、たき火を囲んでの楽しい会話ですからね。夏だと、たき火なんて、苦痛の何ものでもなくなりますから、オススメしません。ようやく涼しくなった、これからの行楽シーズンこそ、ファミリーキャンプにピッタリ。どんどん外に出かけて、親子でキャンプを楽しんでもらいたいですね。