皆さま、こんにちは。キッズマナーインストラクターの東節子です。前回は、子どもにマナーを教えるにあたって、まず(1)子どもの「自立」を促すことの意味と重要性を説明し、具体的な方法として(2)身だしなみについてお話しました。

 今日はその続きとして、(3)整理整頓と後片付け(4)自分の身体に気を付けよう(5)おうちや学校のルールを守ろう、の3点についてご紹介します。

 特に自立に関わる項目は、これからの大人として成長していく過程すべてにつながる、重要なことと捉えています。前回の「自立のために、自分のことは自分でしよう」の続きとして、お読みください。

(3)整理整頓と後片付け

 「整理整頓」とは、不要な物を捨てて、自分の使うものを使いやすい配置にすることです。近藤麻理恵さんの「人生がときめく片づけの魔法」が世界中から大きく注目されましたが、この「整理整頓や片付け」の能力は、「自分らしくときめく人生設計が組み立てられる能力」であるとまで言われています。そしてこれも、人に生まれながらに備わっているものではなく、普段の親の行動や、学校などの集団生活で人がしている方法を見たり真似したりして、実践しているうちに自然に身に付いていく後天的な能力なのです。

 片付けが苦手な親にとっては耳の痛い話ですが、物が散らかった環境で育った子どもは、それが普通と感じてしまうのです。

 親が子どもに教えなければならない身の周りのことの大半は、整理整頓と、後始末・後片付けです。「ご飯を食べる」「服を着る」「おもちゃを取り出す」「おしっこをする」などは、教えなくても自然にできる自発的な行動なのですが、その後の「後始末・後片付け」は、しなくても良い状況ならしたくないものです。

 「ちゃんと片付けなさいよ」と言うだけ、あるいは言ってはいるものの親が片付けている場合は、子どもの片付ける能力は育ちません。

 自分でも、お友達でも、次に使う人のことを考えて、きちんと「後始末・後片付け」をすると、取り出しやすくて次に使うときにとても楽であるということ、そして、きちんと片付けると自分も周囲も気持ちのいいものであるということを、自覚させなければなりません。

 この片付けの能力を伸ばすためには、「ここは子どもの場所」というコーナーを作るのが良いと言われています。床にレジャーシートなどを敷き、その上で自由に遊ばせ、壁には紙やホワイトボードシート等を貼り、落書きOKとします。使い方は、大人がアドバイスを与えながら子どもの自由に使わせて、汚くなってきたら子どもと一緒に掃除をします。自分の場所ができ、使い方のアイデアも認められることによって、自主性が育まれます。

イメージ撮影:鈴木愛子
イメージ撮影:鈴木愛子