私立難関校を第一志望にしている子向けの、公立中高一貫校対策の注意点

画像はイメージです
画像はイメージです

 「私立難関校を第一志望にしている子は、公立中高一貫校の『適性検査』で求められる論理的思考力や記述力はついているのですが、『自分の考えを主張する』ということは、塾では学びません。公立中高一貫校に合格できる子は、小学校ではリーダー的存在の子が多く、知識があって、かつ自分の意見を言える子です。『適性検査』の記述問題では、『抜き出し』とそれを『組み合わせること』に加えて、『あなたの意見を書きなさい』という問題が多く出されます。日ごろから自分の意見を主張できている子には向いていますが、意見を言うことに慣れていない子は、そこで不合格になってしまう可能性があります。つまり、知識だけでは合格できないのです」

 「その点をクリアできれば、私立難関校と公立中高一貫校の併願は可能」だと西村先生は言います。

 「ただし、難関校ならどこでも併願が可能というわけではありません。例えば、開成・麻布・武蔵の男子御三家、駒場東邦、渋谷幕張、渋谷渋谷、海城、栄光、桜蔭などの難関校であれば、十分に合格可能です。なぜなら、これらの学校の入試問題は記述式が中心だからです」

 「一方、同じ難関校でも女子学院、豊島岡女子、巣鴨、成城、世田谷、本郷などを第一志望にしている子には、公立中高一貫校との併願はおすすめしません。なぜなら、これらの学校の入試問題は知識重視のため、公立中高一貫校の『適性検査』とは入試傾向が全く違うからです」