それはある夏の終わりの、新宿の夜。打ち合わせの後「小島さん、ちょっと一杯だけでも行きませんか?」と誘われて、ホテルのバーのソファ席で、乾杯した。まだ一杯目も飲み終わらないうちに、話題は大人のセックス事情に……ってこれ、相手は女性なので誤解のなきよう。
彼女はいわゆるアラフォー世代で、子育てしながら責任ある立場でバリバリ仕事をしている。いつ会っても元気で、チャーミング。そんな彼女が堰を切ったように話し始めたのは「ベッドでの夫の態度は、稼ぎで決まる」という体験談だった。
夜だけ「女」のロールを演じなければいけない!?
かつて彼女の夫は、起業するために勤めていた大手企業を退職。それから数年の間、夫は幼子の育児と家事と起業のための準備、妻はバリバリ大黒柱という生活が続いた。その間はついつい夫への当たりもきつくなってしまい、オヤジ的な上から目線になってしまうこともあったという彼女。それなのに、ベッドに入った途端に、さっきまでのオヤジキャラは何処へやらで「女」のロールをしてしまう自分に次第に違和感を感じるようになったのだとか。
確かに、「おいおい、パンツ脱いだら人格豹変ておかしいだろ」と思いながら形だけ甘い声を出すのでは、なんだか興ざめだ。一方で、セックスの時は夫に主導権を握らせておけば夫婦のバランスがとれるんだし、という割り切りもあるだろうけど、まあそれにしたって味気ない。そんなこんなで、夫もやがてベッドの上でも自信をなくしていったのだそうだ。
やがて、念願の起業ができ再び働き始めた彼女の夫。当初は、彼女の方が年収が上だったのだが、次第に夫の仕事が軌道に乗り、ついに逆転。と、ものの見事にベッドの上でも自信を取り戻し、別人のように積極的に誘ってくるようになったという。
「もう、前とは全然違うんです。年収の上昇カーブと股間の角度は、比例するんですねっ」ってお色気コントか! 親指立てるのやめて!
まあつまりは、めちゃのろけ話だったわけだ。しかも「あのさ、これ日経DUALに書いていい?」と言ったら「書いちゃってくださいー」と満面の笑み。どうやら彼女、今とっても幸せらしい。でも、ふと真顔になり「男の人にとって妻との稼ぎのバランスがそんなに繊細に体に影響しちゃうってことが、驚きだったんです。やっぱりそういう『男らしさ』の強迫意識が強いのかなあって」と、冷静に分析するのは、さすがデキる女。
近所の浜を散歩している時に、夫が私の写真を撮ってくれました。
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