ライフイベント表は子どもへのメッセージ

 ご紹介した通り、ライフイベント表は将来の楽しい予定を書き上げるものですが、まったく違う側面もあります。

 これも相談現場での経験からですが、とある女性がおっしゃったことがとても心に残っています。

 「ライフイベント表を書いていたら、もしも、私が急に死んだときでも、“ママはこんなふうにあなたと一緒にいろんなことをしたいって思っていたんだよ”っていうことが伝わりますね」

 たった一言だけだったのですが、まったくその方の言う通りだと考えさせられました。

 ライフイベント表があれば、突然「最期のとき」が訪れるようなことがあっても、親の思いを伝えてくれる道具にもなるのです。

 最近は、終活やエンディングノート、遺言など、自分や家族の最期のときのための活動が注目を浴びています。ファイナンシャル・プランナーである私はそれらの行動が大事なことも承知していますが、DUAL読者に「子どもが小さいうちにエンディングノートを書きましょう」と提案しても、心理的にも時間的にもハードルが高いことだと思います。

 それならば、家族の未来を描く「ライフイベント表」から始めてみませんか? 「最期のとき」はもちろん遠いほうがいいのですが、万が一のそのときにも役立ちますし、元気な「今」の生活にも効果がありますよ。

(撮影/坂斎清)