5年前に突然訪れた、パパと小学生の娘との二人暮らし。周りに同じ境遇の人は一人もいないなか、“父ひとり、娘ひとり”の生活が始まります。シングルファーザーになって初めて実感した料理をはじめとした家事の大変さや「一般的な幸せ像」への違和感。戸惑いながらも、父娘の愛で一つ一つゆっくりと乗り越えていきます。PTA参加を機に広がった交友関係についてつづった前回記事「母不在を支えてくれた友 シングル同士の助け合い」に引き続き、今回は、娘が小学5年、6年時にPTAや子ども会で「長」の役職を経験して感じた、従来型の子育てボランティア組織体制の限界について語ります。

シングル2人が子ども会会長に就任 多忙な役員間の連絡はLINEで効率化

 小学生のうちは、保護者が主体となって動くボランティア活動が多い。僕も娘が6年生のときには、PTAの「成人教育委員会」副委員長と、子ども会の会長を引き受けた。もともと、地元の自治会活動には5年ほど参加してきたので、地元と連携して動くことが多い子ども会には、「お年寄りに顔が利くパパ」は都合が良かったのだ。

 子ども会の役員は10名いるが、ほとんどの役員が仕事を持っているし、会長2名はシングルファーザーとシングルマザーのコンビである。細かな連絡はすべてLINEで行うことになった。

働く親が多い子ども会役員。情報伝達はLINEを使い効率化した
働く親が多い子ども会役員。情報伝達はLINEを使い効率化した

 連絡事項の伝達にはどうしても時間差ができる。だが、グループチャットなら何人既読したか分かるし、画像を使っての文書の回覧もできる。

 活動は毎年同じパターンなので、役員全員の合意が必要な決めごとは少ない。やるべきことは先に空き時間ができた役員がどんどん前に進めることで、スピード感のある活動が実現できた。