一人ではカバーできない部分を、気兼ねなく相談できるシングル同士の関係性

 ビールでも飲みながら色んな話をしていると、必然的に先方にもこちらの事情、父ひとり娘ひとりの生活を伝えることになる。そういうときは、シングルマザーのほうが遠慮なくサバサバしていて、話がしやすかった。

 もちろん、泊まるのは子どもだけで、別にアヤシイ関係になることを狙っているわけではない。こちらとしても「母不在」により自分ではカバーしきれない部分を、ご主人に気兼ねすることなくいろいろ相談できる女性の存在はありがたいのだ。

 「ママ友」という存在が次第に増えていく中で、シングルマザー同士で何かと助け合うコミュニティーがあることも初めて知った。その中で、「何かあったら、いつでも子どもを預かるよ」と言ってくれる家庭がいくつかできたのは、とても心強く感じた。

 特に意識しているわけではないだろうが、不思議とシングル家庭の子ども同士は仲良くなっていく率が高いように思う。何か共通の「寂しさ」を感じているのだろうか。

 その欠けている寂しさがもし父親の存在だとしたら、うちに遊びに来たり、一泊して話をしたりすることで、シングルファーザーの自分が多少なりとも貢献できたのならうれしい。