PTAで本業キャリアを発揮! 交流が広がり、病時にはご近所から差し入れも

 娘が小学校3~4年生ぐらいまでは万事そんな調子だったが、5年生になってから環境がガラリと変わった。その年にPTAの広報委員長になったからである。

 広報委員会とは、PTA広報紙を年に数回発行するのが仕事だ。こちらは元々本業がモノカキなので、執筆から編集、レイアウト、出版ノウハウまで全部持っている。初めてやるPTA活動で、わけも分からず右往左往するという話もよく聞くが、そういった戸惑いがないのが幸いであった。

 委員長になり、同じ委員のママ達としょっちゅう顔を合わせることになった。お互い顔を覚えれば、学校行事のときに挨拶をしたり、立ち話ぐらいはするようになる。

 すると家はどのあたりだとか、きょうだいが何人とか、色んなことが分かってくる。さらに子ども同士が仲良しだと、お互いの家を子どもが行き来するので、携帯やメールで連絡を取り合うようになる。PTAを機に、温かい交流が生まれていった。

 ある日、筆者自身が風疹にかかってしまったことがあった。急に熱が出たのでおかしいなと思って病院に行ったら、そう診断されたわけだ。

 ちょうど娘と仲のいい子がうちに遊びに来ていたが、慌てて自宅に帰し、電話でママに事情を話して、しっかりうがい手洗いをさせるようお願いした。

 そのまま倒れ込むように寝ていたのだが、程なくしてその子のママが晩ご飯のおかずを作って持ってきてくれた。晩ご飯のことなどまったく考えられずに寝ていただけに、大変ありがたかった。優しい心遣いが身に染みた。

 夏休みになると、あちこちの家庭で「お泊まり会」が開催される。仲のいい子ども同士、どちらかのお宅に一泊するわけだが、うちにも娘のお友達が何度か泊まりに来た。

 こんな日はいつも庭でバーベキューをするのだが、ママも招いて家族ぐるみで一緒に食事をする機会が増えていった。