【A7】 ○
◎ 女子に比べて最後の半年間にぐっと伸びる確率が高い
◎ 追い上げ型の男子は併願対策が難しい
「はい、本当です。これまでたくさんの受験生を見てきましたが、女子に比べて男子のほうが、最後の半年間にぐっと伸びる確率が高いですね」。そう話すのは、個別指導教室「SS-1」代表の小川大介さんです。
「男子は単純に考える傾向があるので、やると決めたらわき目もふらずにやることが多いです。6年生になってようやく体も大きくなりますし、体力が付いて、踏ん張りがきく。闘争心や競争心がものをいう算数など、難問を突破するゲーム感覚で取り組めます」
男の子を持つ親にも聞いてみました。長男が都立一貫校に進んだBさんは「伸びるというか、女子より体力があるなあと思いました。塾に勝手に居残って、22時くらいに帰ってきてもご機嫌なのが、本当に不思議でした。隙があれば遊びに行くし、スポーツも続けていたので、よくやったなと思います」と振り返ります。
長男が受験準備中のCさんは、父親の目線でこう話します。「男子は6年生まで他に夢中になることがある。精神的に大人になるのが女子より遅く、6年生くらいでやっと国語の問題に出てくる登場人物の心情を理解できるようになったりするのでは。お尻に火が付くと、爆発的に勉強し出す瞬発力があると思います」
とはいえ、開成、筑波大附属駒場といったトップ校を希望する子を見ていると、低学年からずっと上位を突っ走っている印象を受けるそうです。「開成君や筑駒君は1を聞いて10を知るみたいな感じ。もともと頭がいい上に、塾で増強されていますね」
「スポーツに向けていたエネルギーを一気に勉強に向けるので、男子は短期集中型と言われるのでは」というのは、神奈川県のAさん。「長男は6年生の5月まで野球をやっていました。両立が難しく、成績は伸び悩みましたが、野球をやめて塾一本にした途端、成績が上がりました。他にもサッカーをやめてこれから本腰という友達もいます」
6年生になってぐっと伸びる可能性があるというのは、親にとってはうれしいことですが、追い上げ型の子は、志望校の設定が難しい側面もあるといいます。「私達の個別指導では、夏休み前に第一志望校と併願校をどこにするか、保護者を含めてミーティングします。知識の積み上げが必要か、総合的に考える能力が大事かなど学校によって出題傾向に違いがあり、タイプの違う勉強を時間がないなかで組み込むのは大変。追い上げ型には複雑な準備が必要な併願対策は難しくなるんです」(小川さん)
『進学レーダー』編集長の井上修さんは、「学力は、勉強すればきれいに右肩上がりで伸びていくわけではなく、停滞する『踊り場』の時期もあって階段のように伸びていくもの。気長に待つのが大事になります。追い上げ型の場合はそうした余裕を持てないので、最後まで安心できない」と話します。
次ページからは、私立と公立一貫校の受験対策を考えるうえで知っておきたい塾の選び方、出題傾向や教育方針について見ていきます。
次ページから読める内容
- 大手塾についていけない場合の個別指導も
- 2020年の大学入試改革に向けて
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