A. 無理にどちらかに合わせるのではなく、互いの意見を尊重しながら。

 夫婦とはいえ、育った環境も違えば、培ってきた経験が違うのは当たり前。特に、子どもの教育といった重要な問題については、それぞれに真剣に考え、譲れない答えを導き出すはず。夫婦がそれぞれに社会で活躍する世界を持っている共働きの場合は、よりその傾向が強いかもしれませんね。

 そんなとき、夫婦のどちらかが自分の意見を飲み込み、納得いかないまま相手の意見に合わせるというパターンが多いように思います。でも、どちらの意見も、"愛情"から生まれたものです。飲み込む必要はないと思います。

 もっと子どもの「自分で考える力」を信じてみてください。夫婦それぞれの意見をきちんと伝えたうえで、子どもと一緒に考える時間を持ってみてはいかがでしょうか。お父さんが考える愛情、お母さんが考える愛情。その形が違うからこそ、子どもは多様な価値観を受け取りながら、育っていけるのです。子どもは大人が思う以上によく考えますし、ものごとの本質を見抜きます。私の娘は小学3年生くらいのころに、「ママの考え方もわかるけど、基本的にはパパの考え方のほうが正しいと思う」なんて意見をしてくれるようになりました。

 「異なる価値観に触れながら、ものごとを選択し、決断する」という経験は、実社会に出てから必須の力になります。世の中には色々な考えがあり、たくさんの人と意見を出し合いながら、問題を解決していかなければならない。それを、家庭の中でも自然に実践してあげれば、子どもは社会に出てからもたくましく生きる力を身につけてくれることでしょう。

 子どもに与えてほしいのは「正解」ではなく「愛情」です。愛情さえ持っていれば、むしろ、少し意見が違うくらいのほうが真の教育につながる。そう思えば、ちょっと気が楽になりませんか?

 一番よくないのは、子どもに対してパートナーの意見を否定することです。お互いの意見を尊重しながら、子どもにとって一番いい答えを出そうとしている姿をありのままに見せていけばいいと思います。