欧米と比べて極端に低い日本の子どものマイパソコン所有率

 このように、知的刺激を受けることで学力向上につながる子ども時代のマイパソコンですが、「実は、欧米に比べると、日本の子どものマイパソコン所有率は極端に低いのです。このことに強い危機感をおぼえてます」と言うのは、上述の調査を企画した日本マイクロソフトの河野万邦さん(コンシューマー&パートナーグループOEM統括本部マーケティング部長)です。

 例えば、内閣府による「平成25年度 我が国と諸外国の若者の意識に関する調査」*によると、13歳~15歳におけるノートパソコンの所有率は、米国が64.7%、英国が75%、ドイツが63.7%、フランスが69.9%、スウェーデン70.6%なのに対して、日本はわずか22.1%。デスクトップパソコンの所有率も、米国が47.2%、英国が31.7%、ドイツが45.6%、フランス43.4%、スウェーデン47.7%なのに対して、日本は9.1%に過ぎません。

 今後、ますますIT活用が盛んになる中、ITリテラシーの面で、これは由々しき問題と言えます。「これからは、AI(人工知能)が普及していきます。そうなると、必要な学習は、“暗記型”よりも“発想型”に移行していきます。このときに重要になるのが、情報と情報をかけあわせて、新たな価値を生み出す力=“キュレーション力”。この力は、子どもの頃からパソコンを使うことで養えるのですが、日本の所有率を見ると、心配になります」(河野さん)

 文部科学省は、2020年には小学校でのプログラミング教育を必修化し、1人1台の情報端末を導入する方向で議論しています。さらに、2024年には、大学入試にパソコンを利用した試験(CBT方式)を導入することを検討しています。こうした、教育改革にも、子どものうちからパソコンを利用していれば対応しやすいと河野さんは指摘します。「今後、子どもが世界で活躍するためにも、小さいうちからパソコンに慣れ親しむ必要があると思っています」(河野さん)

「日本の子どものマイパソコン所有率が世界の先進諸国に比べて極端に低いことに危機感をおぼえています」という日本マイクロソフトの河野万邦さん
「日本の子どものマイパソコン所有率が世界の先進諸国に比べて極端に低いことに危機感をおぼえています」という日本マイクロソフトの河野万邦さん

平成25年度 我が国と諸外国の若者の意識に関する調査

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