言ったことは割とその通りになるから、口に出したほうがいい
日経DUAL編集部 今のように伸行さんがピアニストとして活躍する姿は想像していましたか。
辻井いつ子さん(以下、敬称略) 教育方針の話になりますが、夫は常々「親は先にいなくなるんだから、伸行が仕事を持って生きていくための手助けをするのが自分達の役割だ」と言っていました。ピアニストなんて雲をつかむようなことではなく、学校の勉強をきっちりして、なにか資格や技術を身に付けるのが一番の近道じゃないのかと。それは私にもよく分かりましたし、今の彼の活躍みたいなものまではまったく想像できてはいませんでした。
でも一方で、「ピアニストになれたらいいよね」といつも思っていました。絶対になれるとは思わないけれど、もしなれたらすごく幸せだろうなって。「優勝は……ジャジャ~ン、辻井伸行くんです!」なんてごっこ遊びみたいなことを、よく母子でしていたんですよ。
伸行も言っていたんですが、「望んだり、言ったりしたことは割とその通りになる。だから口に出して言ったほうがいいんだよね」と。なりたい自分とか、なりたい子どもの将来を心に思い描くのは、悪いことじゃないと思います。ちなみに夫も最近は「なんだかすごくなってきたな」って評価しています(笑)。
あとは、少し離れたところで待ちながら見守ることも大事じゃないでしょうか。知人の話ですが、子どもがギターをやりたいというので、よかれと思ってすごく有名な先生を探してきたそうです。でもとてもしんどくて結局やめてしまった。親心としては分かりますが、あまり先を急ぎすぎてはいけないというのはありますよね。
次ページから読める内容
- こうなってほしいと思うことを親が実践する
- 根拠のない自信は悪いことじゃない
続きは日経DUAL登録会員(無料)
もしくは有料会員の方がご利用いただけます。
-
登録会員限定記事子育て、キャリア、夫婦の連携、家計管理など、共働き家庭のニーズに応える登録会員限定記事をお読みいただけます。
-
日経DUALメール日経DUALの最新記事やイベント開催情報などをお知らせするメールマガジン「日経DUALメール」をご購読いただけます。
-
子どもの年齢別メール子どもの年齢別メール(未就学児、低学年、高学年)を配信します。子どもの年齢に合った新着記事やおすすめ記事をお届けします。
-
MY DUALサイトトップページの「MY DUAL」の欄に、子どもの年齢に合った新着記事が表示され、最新の子育て・教育情報が格段に読みやすくなります。
-
日経DUALフォーラムオンライン会議室「日経DUALフォーラム」にコメントを書き込めます。日経DUALの記事や子育て世代に関心の高いテーマについて、読者同士や編集部と意見交換できます。
-
記事クリップ、連載フォローお気に入りの記事をクリップしたり、連載をフォローしたりできます。日経DUALがさらに使いやすくなります。