視点を変えれば使い道が見えてくる「配財万華鏡」
次に訪れたのは、浜野製作所。ここでは、工場で出る廃材を使って万華鏡を作るワークショップを体験します。テーブルにはTシャツの端切れやプラスチックの削りカス、風船の破片など、色も形も異なる13種類の廃材がずらり。これらの廃材を万華鏡の部品として再利用することで、捨ててしまうしかなかった「ゴミ」が「配財」にリサイクルされていくのです。
柾さんの指示のもと、万華鏡作りがスタート! まずは万華鏡の筒を組み立てます。一つ一つの行程がきちんとできているか、都度確認しながら作業を進めていきますが、このように細かく確認をしながらものづくりを行うのが工場の基本的なルールだと柾さんは話します。「決まり事を守って作れば、必ずちゃんとしたものができることを子ども達に体感してほしい」という思いから、ワークショップでも工場と同じような作業の進め方を採用しています。
「実際の工場では、色んな人と共同作業をすることがよくあります。今日は工場の人になったつもりで、息を合わせてパパやママと共同作業をしてみてください」
万華鏡の筒と配財を入れるケースを固定する際に、柾さんが子ども達に声をかけました。単純に万華鏡を作るだけでなく、作業を通して工場の人たちへの理解が深まるような体験を目指しているように見えました。
ケースと筒が固定され、いよいよ万華鏡に配財を入れていきます。いろんな種類の配財を手にとっては、世界に一つだけの、オリジナルの万華鏡を作る子ども達。
「もともとはただの布や破片なのに、レンズを覗くと花が咲いたようにきれい」。小学1年生の男の子は、できあがった万華鏡について嬉しそうに話してくれました。
「配財を使った万華鏡で見られる模様は一期一会。市販のものとはまったく違う独特の模様があらわれます。私たちは普段忘れがちですが、モノには限りがあります。廃材のように一見するとゴミに見えても、視点を変えれば使い方があるということを子ども達に体感してもらえればと考えています」(柾さん)