三角形のフォルムで、部屋の隅と壁際のゴミをかき出す

 「壁際や部屋の隅のごみが取り切れない」---。これも、約3割が不満点として挙げている。アンケートのコメントでも、「ロボット掃除機は大変重宝しているが、隅っこのゴミまで取りきれないことやちょっとしたゴミ吸引にわざわざ使用するのは手間なので、スティック掃除機などがサブで必要」「隅にゴミがたまっていて、ロボット掃除機にも限界があるんだなと感じた」といった声があった。

 テレビCMで見た人も多いと思うが、ルーロは三角形のフォルムにしたことで、丸型のロボット掃除機では取りきれない部屋の隅や壁際のごみもしっかり取れることが最大の特徴だ。三角形の角が隅に入り込んで、サイドブラシ(本体から出ている髭のようなブラシ)でごみをかきだし、幅18㎝のノズルとローラーがごみをしっかりと吸い込む。さらに、自動走行モードでは、部屋の内部を効率的に走行するだけではなく、部屋の隅と壁際も重点的に走行する。

 上で述べたように、日本の家では、部屋の隅や壁際にホコリがたまりやすいので「パナソニックがロボット掃除機の開発を始めた1985年当時から、隅が課題だということは認識していた」(パナソニック)。この課題を、ルーロでは、三角形のフォルムにすることで解決した。ちなみに、ルーロという製品名は、各辺がふくらんだ「ルーロ―の三角形」(19世紀にドイツのフランツ・ルーローが考案した図形)が由来だ。

段差を乗り越え、家具にもガツンとぶつからない

分厚いじゅうたんも乗り越える
分厚いじゅうたんも乗り越える

 調査では、「床の物を片付けないと使えない」「段差などでつまずく」「掃除できないエリアが多い」といった不満も多かった。部屋の中のいろんな物が邪魔して、止まってしまう---という不満だ。ルーロでは、以下のような機能で、走行できる範囲を広げている。

 まず、2センチの段差を乗り越えられるため、じゅうたんやキッチンマット、ジョイントマットにもひっかからずに走行できる。さらに、本体裏面に「落下防止センサー」があり、5センチ以上の段差を感知すると自動的に向きを変えるので、階段やげんかんのたたきに落ちることもない。本体が9.2㎝と薄いので、床から10㎝ほどのすき間のソファやベッドの下にももぐりこめる。

 調査では、「家具にぶつかる」という不満も多かった。家具にガンガンぶつかるロボット掃除機もあるので、気になる人は多いだろう。

 ルーロは、家具はもちろん透明なガラスも赤外線センサーと超音波センサーで感知し、速度を落として衝突を回避するか、「軽くコツンと」あたる。このため、大切な家具を傷つけない。国産メーカーならではの、きめ細かな配慮と言える。

パナソニック伝統の「V字ブラシ」でしっかりかき取る

 ルーロは、「吸引力が弱い」という既存機種に対する不満にも、しっかり対応している。まず、キャニスター型掃除機で長年培ってきたパナソニック独自の「V字ブラシ」構造のローラーで、ごみを確実にかき取る。「ルーロは、長年育ててきた白物家電の技術を投入している。V字ブラシはその象徴」(パナソニック)。V字ブラシは、特にじゅうたんで効果を発揮するという。

吸い込み口の「V字ブラシ」構造のローラー
吸い込み口の「V字ブラシ」構造のローラー

 じゅうたん、畳、フローリングなどの床の種類を自動的に判断して、最適なブラシの回転速度やパワーを選ぶ「床面検知センサー」、ごみの量に合わせてパワーや走行速度、走行動作を自動的に制御する「ハウスダスト発見センサー」も、ルーロの大きな特徴。ハウスダスト発見センサーは、イットにも搭載されている機能で、ハウスダストが多いときは赤く点滅する。この2つの機能で、床の種類にかかわらず、ごみやホコリを取り残さない。

ハウスダストを発見すると赤く光る
ハウスダストを発見すると赤く光る

 さらに、「マイナスイオンプレート」により、静電気で床に張り付いた微細な塵までしっかり取り除ける。このため、床面は、ぞうきんがけした後のようにツルツルした感じになる。

 静電気で床に付着したゴミは、吸い込む力だけではなかなか取れない。これがざらつき感の原因。ルーロでは、回転ブラシとマイナスイオンプレートと呼ぶ部品の摩擦で、吸い込み口にマイナスイオンを発生させて静電気を中和。除電された細かいゴミを浮かせたうえで、ブラシでかき上げて吸い取ることで、これまで難しかった小さな埃や菌まで取り除けるようになった。

 そのほか、ルーロをラジコンのように操作できるほか、1週間分のスケジュールを予約したり、掃除の状況やエラーなどのレポートを音声で確認できる「お掃除サポートリモコン」、掃除したい場所を登録できる「エリアメモリー機能」など、掃除を楽にしてくれる様々な機能がある。

 次回は、コードレススティック掃除機とロボット掃除機の「進化形」と言えるイットとルーロのユーザーレポートをお届けしよう。

(文/福本千秋)

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