日経DUAL読者のみなさま、こんにちは。少子化ジャーナリストの白河桃子です。

 2016年3月には、日経DUALの羽生祥子編集長の声がけで「長時間労働についての緊急アンケート」が実施されました。その際、お答えいただいた読者の皆さま、本当にありがとうございました。実は一億総活躍国民会議に皆様の声を届けたいと、羽生編集長にお願いしたアンケート。まさか短期間に1500名(最終回答数)ものお答えがいただけるとは感無量です。あのアンケートのその後について、どうなったのか? 本日晴れてご報告できること、たいへん嬉しく思っております。

DUALの声が政府に届いた瞬間

 さて、日経新聞のこの記事、お読みになった方もいらっしゃるのでは?

 「働き方改革で成長底上げ 残業時間に上限など 財務・厚労省」
日本経済新聞 2016年7月15日

 まさにこの記事が、3月の皆様からの声が政府に届いた結果なのです。

 「財務省と厚生労働省が経済対策の目玉として盛りこむ働き方改革の原案が14日、分かった。残業時間に上限を設けるなどして長時間勤務を抑制するとともに、最低賃金の20円超引き上げや雇用保険料の大幅な引き下げで働き手の所得を増やす。女性や高齢者など働く人の裾野を広げつつ、働き方改革に取り組む企業も支援し、経済成長を底上げする。

(中略) 残業時間は、厚労省が有識者による検討会を設け、一部業種に上限を設ける」

 DUALな皆様のアンケートで判明したことは、8割以上の方が「子どもができて働きにくい、肩身が狭い」と感じていた。そしてその原因の4割までが「労働時間」に関係するものでした。

 このアンケート結果は一億総活躍国民会議(3月18日)の「長時間労働是正」についての議論に、私からの資料として提出され、(資料はこちら:http://www.kantei.go.jp/jp/singi/ichiokusoukatsuyaku/dai6/siryou6.pdf)安倍総理はじめ、居並ぶ閣僚が目を通してくれました。多くの人が、企業が「長時間労働是正を望んでいる」という声が届いた事が、プレゼンをしながら実感されました。

 さらにその会議の終わりの総理のスピーチ。「白河さんの言うように・・・」と私の名前をあげ、提出した資料を指差してくれていました。
 みなさんの声が総理に届いた瞬間です。

首相官邸ホームページより 。白河桃子さんが日経DUALの読者アンケートの声などを説明。
首相官邸ホームページより 。白河桃子さんが日経DUALの読者アンケートの声などを説明。

 日本のように労働時間の上限がない国は珍しい。労使が合意する36(サブロク)協定の特別条項があれば、100時間でも200時間でも残業をさせることができるのです。みなさまはご自分の勤め先の特別条項が何時間となっているか知っていますか?