クラス担任になると、勤務時間が長くなり残業も

 思うようにいかない仕事。さらに息子は毎月、病気をしました。祖父母は働いているので世話を頼めません。子育てに理解のある職種なので、自分が看護休暇や有給休暇を取って看病しました。理解があるとはいっても、「担任じゃなくてサブだし、いてもいなくても大丈夫よ」という空気は、バリバリ仕事をしていたマキさんにとって、複雑でした。

 家事や育児も、手を抜くことができない完璧主義。朝5時に起きて家事。土日に食材を買いだめし、朝晩と毎日おかずを作る。お総菜を買ったことはありません。育休から復帰して初めの半年は無我夢中でした。秋になって疲れが一気に出たのか、めまいが止まらない病気になってしまいました。吐き気止めの薬を飲んで働きました。

写真はイメージです
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 復帰して1年目の終わりごろ。「この生活、意味があるのかな」と思いました。息子が幼稚園に入るタイミングの2年後に、退職しようかと考え始めました。復帰して2年目は自分から希望して、サブよりは責任のある副担任となり、サポートが必要な子の担当になりました。

 秋に思いがけないことが起きます。若いクラス担任が急にやめてしまい、マキさんが担任をすることに。周りを見ても人手がないのは明らかで、やらざるを得ません。「やります」と言いました。それまでは「子どもがいて大変よね。大丈夫?」と言っていた同僚も、「他にやる人がいないし、やってね」という流れに変わりました。

 急に担任になって年度末まで、8時からの勤務になり、残業もありました。18時15分の保育園お迎えに駆け込み、担任をやり遂げました。

 お勤め最後の年は年長の担任を希望。年長クラスは仕事が多い。書き物もたくさんあるし、小学校との連携もあります。退職を意識していたからこそ、ハードルの高い仕事を希望しました。

 担任の仕事は過酷でした。大変過ぎて記憶がないぐらい。お迎えに間に合わないときは、同じ保育園のママ友が預かってくれて、助けられました。4キロ痩せて顔もげっそり。家事や育児に手抜きしない完璧主義だったけれど、さすがに体力が持ちません。土日は息子にディズニー・チャンネルを見せて横になっていました。

(後編へ続く)