このたび20年余り勤めた会社を退職した、ジャーナリストのなかのかおりです。育休から復帰したら、娘の病気が多くて会社を休みまくり、低い評価。補助的なポジションから出してもらえず、長年やっていた職種に戻れませんでした。

 <過去記事> 39歳で初産 私のキャリア、どうなっちゃうの?

 私と同じように、心血を注いできた仕事をやめたママ、やめようか悩んでいるママは、きっと多いと思います。そこで今回から、退職を選んだママの葛藤や、その後のプランについて、連載で紹介します。

長い間、勤めた会社をやめるのは「喪失体験」の一つ

 私は「老後もギャラがもらえる人になる」を目標に、フリーランスで仕事を始めました。会社員時代の収入とは比べられませんが、心に光があるような気がします。

 長い間、勤めた会社をやめるのは、「喪失体験」の一つです。半年間、葛藤しました。もうちょっと、会社にいたかったけれど…。最後は、「20年間、頑張った」という境地に。転勤、異動、高年齢出産、子育てと、駆け抜けました。

 私が退職するか迷っていたとき、ある先輩(男性)がメールをくれました。やめないで、と引き止めつつ「このままだと、会社にはロボットみたいに働く人しかいなくなる」という内容でした。

 ロボットみたいに働く場合も、環境が整っていないと難しいです。身内の手があって家事・育児・介護に困らないとか、子どもが病気をしないとか…。

 わが子の発達に、一喜一憂するのが親。心身の問題や進学のことなど、心配事が出てきます。ママ・パパの人間ドックの結果や、遠方にいる身内からの連絡にドキドキする年代になりました。介護と子育ての「ダブルケア」に苦労する友人もいます。高年齢の出産が増え、「更年期と子育てが重なってつらい」というママの声も、聞いていました。

 周りでも、組織をやめるママが続出。子育てと仕事が大変過ぎて、ぼろぼろになっちゃったのかな。収入はどうなるんだろう…。勝手に、心配になりました。本人に会ってみると、すっきりした表情で前に向かっています。「長時間、働けるか」「組織の都合に合わせられるか」というポイントでジャッジすると、優秀な人は去ってしまうのですね。

 育休から復帰し、仕事と子育ての両方をしてみて、新しい働き方や生き方に転換するママが増えるのも納得。組織をやめたママ達は、どんなお勤め生活を送ったのでしょうか。今は、何に向かっている? ママ達の退職ストーリーを紹介します。彼女達の人生に、きっと共感する場面があると思います。

写真はイメージです
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