私は、小学校高学年から中学校時代、いじめられていた
自殺したい、と思ったことはあるだろうか。私は、ある。何度も。
小学校高学年から中学校時代、いじめられていた。顔にほくろが多い。最初は、そんな理由で「ほくろ」とあだ名がついた。最初は、軽い「いじり」だったんだろう。小学校の現場を経て、あのころのクラスの空気を理解できる。担任のアンテナが鈍いと、「いじり」は「いじめ」に発展する。私の担任はもっとひどかった。スクールカースト(クラス内の力関係)を学級経営に利用する教師が、かつてはいた。クラスのやんちゃ男子のギャグに乗っかって、教室を湧かせればいい。リーダー達に「おもしろい先生」として、好かれる方法の一つだ。
「おーい、ほくろ! ノート運ぶの手伝って」
……その日から、「いじり」は担任のお墨付きを得て「いじめ」に変わった。
「黒くなるから机に触るな」と掃除の時間に男子に蹴られ、座席表は黒く塗りつぶされた。たまたま、中学校に入るときに校区を変わった。しかし、いじめの傷は環境が変わってもうずき続けた。自分に自信が持てない。周りのひそひそ話が怖い。やっとできた友達には、過剰にもたれかかって避けられた。
当時、ネットやSNSがなくて本当に良かったと思っている。
家にまでギリギリの人間関係を引きずって帰るなんて、たまらない。メッセージの行間を読み、返事がないことを勘ぐり、悩ましい時間が増えるだけだ。現代の子どもが置かれている環境を、想像するだけで胸が痛くなる。
家だって私の居場所ではなかった。
家族で食事をしていて、妹が食卓を先に立とうとすると父が「もうちょっと座っとけ」と引き留める。私が立っても、何の声も掛からない。継母とは、もっと心の距離があった。
「死にたい」と思って、マンションの屋上に行く。
カッターナイフを手にしたこともあった。
死んだら、大騒ぎになるだろうな。
私を無視したヤツ、仲間に入れなかったヤツ、後悔するかな。
いい人ぶってるあいつの外面を、ぶち壊してやる。
ざまぁみろ。
今、こんな気持ちでいる子どもに、どんな言葉をかけるべきか。
10年前に、書いた文章が手元に残っている。小学校の校長になるとは夢にも思ってなかったころに、書いたものだ。だから、言葉は少し過激かもしれないが、次ページに紹介してみたい。