寮やホームステイで生活。「安さより中身で選んで」

年間を通した留学中の生活には3つのパターンがある。1つ目は、寮だけで生活するもので、生活面や活動をサポートする指導員がついていることが多い。

 2つ目は、民家だけで生活するもの。地域に根差した生活を長く続けてきた、子育てを終えたシニア世代の家が主なステイ先だ。3つ目は、寮とホームステイを併用するもの。これは、山村留学を創設した公益財団法人育てる会が当初より実施しているもので、寮での集団生活や様々な体験活動と、地域に密着したホームステイの双方の良さを取り入れている。

 このほか、家族ごとに移住するパターンもあるが、子どもの自立を促すという点を考える場合には、おすすめできないと秋山さんは言う。

 費用は自治体によってまちまちだが、平均的には月6万円程度。助成金などがついて3万円程度に抑えられる場合もあるが、「安さではなく、中身をよく比較して決定してほしい」

 実際、どんな子ども達が山村留学に参加しているのか。

 「ボリュームゾーンは小学3年生から中学1年生くらいまで。小学校低学年の参加希望もなくはありませんが、まだ親元での生活を優先すべき時期として、特別な理由がある場合を除いてはお断りしています。男女比は6:4くらいで、きょうだいで参加する例もよくあります。最近は、首都圏だけではなく大阪や仙台、沖縄など地方都市からの参加や、海外在住の日本人家庭の参加も増えてきました」

 まだ小学生の子どもが親元を1年間も離れる。ホームシックにはならないのだろうか。