虐待や離婚は個人ではなく社会の問題
―― 近年、産後うつや産婦の自殺問題などがニュースで取り沙汰されるようになってきました。
吉岡マコさん(以下、吉岡) 2013年に発表された厚生労働省の調査によると、産後うつの発症率は産婦全体の9%。およそ11人に1人の割合で発症しているということになります。
また、早期離婚と呼ばれる産後2年以内(末子の年齢が2歳以下)での離婚件数は、調査対象となった母子世帯の35%にも上り、その他の年代と比較してもダントツに多い数字となりました(平成23年度全国母子世帯等調査結果報告より)。
―― ドラマでも取り上げられて話題になった「産後クライシス」の結果でしょうか。
吉岡 そうだと思います。私がパートナーとの関係を産後8カ月で解消したのも、この事例に当てはまると思います。彼とは産後についての備えや相談をまったくしてこなかったので。
―― そのほかに、産後の問題として、今何が取り沙汰されていますか。
吉岡 虐待です。厚労省の2014年のデータでは、虐待によって死亡した子どもの年齢は0歳が最も多く、全体の43.1%です。産後うつ、早期離婚、虐待死など、産後にまつわる様々な問題が起きているのに、それぞれがバラバラの事例として取り上げられ、ほとんどデータ化されていませんでした。離婚も虐待も個人の問題とされてしまい、子育てが社会の問題として捉えられてこなかったからです。
次ページから読める内容
- 日本の子育ては「自己責任」の世界
- 「産後ケア」が当たり前になる世の中にしたい
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