「保活」ではどう考えたらいいのか

 小規模保育は、制度開始の2015年4月に1655カ所が開設されました。認可外からの移行も多く、待機児童が多い首都圏を中心に施設数が伸びています。家庭的保育、事業所内保育はそれほどの伸びはありませんが、認可保育園と一緒に利用申込みをできるようになった今、これらが「保活」で重要な選択肢となってくることは間違いありません。

 小規模な保育のメリットは、家庭的な環境がつくりやすく子どもが落ち着きやすい、保護者と保育士の距離が近く親密な信頼関係がつくりやすいということが挙げられます。

 一方で、保育士配置基準は認可保育園よりも緩く、運営する事業者も多様なので、保育の質のバラツキが大きい可能性があります。認可保育園同様、見学などをして選ぶことが大切です。

 「3歳の壁」については、地域の情報に注意します。「この小規模保育の卒園児はだいたいA保育園に入れている」とか、「保育時間が短ければB幼稚園の預かり保育でも大丈夫」とか、今後だんだんに状況が分かってくるはずなので、役所の窓口や地域の口コミなどでも情報を集めてみてください。

 幼稚園の認定こども園への移行、預かり保育の充実、認可保育園の増設などが進む地域では、むしろ3歳以上のクラスで園児の争奪戦になるのではないかという見通しを持っている自治体関係者もいます。地域の実情を見た冷静な「保活」を進めましょう。なお、「地域型保育」には在籍を延長する特例の制度もありますので、本当に困ったら自治体に相談してみてください。

 小規模保育の年齢制限を取り払おうという意見も聞こえていますが、私は賛成ではありません。幼児には幼児に適した環境(園庭、適度な規模の集団活動)が提供されるべきだと思うからです。認可外保育施設で0・1歳にまじって4歳児がぽつねんと1人でいる姿を見て、強くそう思いました。

(イメージカット/吉澤咲子)