2015年度から認可の新しい保育制度として、小規模保育や家庭的保育(保育ママ)、事業所内保育などがスタートしました。ただし、これらの対象は原則0~2歳児。3歳からは、幼児クラスのある保育施設に転園しなければなりません。もしかしたら、それって「3歳の壁」になってしまうのでは? 待機児童が多い地域では、そんな不安が広がっています。

なぜ2歳までなの?

 子ども・子育て支援新制度が始まって、認可の保育施設・事業の種類が増えました。新しく増えた小規模保育・家庭的保育・事業所内保育は「地域型保育」と呼ばれ、市町村が認可します。

 これらの「地域型保育」は、原則0~2歳児を対象にしています。それにはこんな理由があります。

 ① そもそも待機児童は0~2歳児が圧倒的に多い。

 ② 0~2歳児は、家庭的な雰囲気の中で、少人数で保育されたほうが落ち着くとされており、子どもにとっても悪くない。

 ③ 活動量も比較的少ないため、園庭がないことの不都合も幼児ほどではない。

 ④ このように小規模で簡易な施設であれば、迅速に設置できて待機児童対策のスピードを速めることができる。

 ⑤ 今後、幼稚園が認定こども園になったり預かり保育を実施したりすることが増えると、3歳以上の保育の受け皿は過剰になる可能性がある。

 どれもまっとうな理由に見えるのですが、保護者にとっては、そんなに簡単な話ではありません。入園できても、満3歳の4月までに認可保育園、認定こども園、幼稚園などに移ることが前提となっているので、そのときにまた「保活」をするのか、そこで入れなかったらどうなるのか、などなど考えると不安になるのです。

 このため、利用申し込みでは、就学前まで通える認可保育園に人気が集中しているのが実情です。