早生まれの子育てについて考えるシリーズの第3回。月齢順のクラス分けを行う玉川学園のリポートに続き、教員のインタビューを通して早生まれの子どもを育てる秘訣に迫る。学校生活をリポートするにあたり、事前に保護者へアンケートへの協力を仰いだ。対象は昨年度の1年間を月齢順のクラスで過ごした、現在同校の小学2年生の子を持つ保護者達だ。アンケートの回答率は8割で、月齢順クラスへの率直な感想を寄せていただいた。今回の記事では保護者に協力いただいたアンケートの回答を踏まえながら、玉川学園小学部の後藤健教育部長と野瀬佳浩教務主任に話を聞いた。長年にわたって同校で子どもの成長を見守ってきた2人の教諭は、生まれ月による発達の差をどのように考えているのだろうか。

【早生まれの子を育てる特集】
(1)保育士が断言「早生まれの子にはメリットしかない」
(2)早生まれの1年生 月齢順クラス分けで成長を見守る
(3)親は子に「生まれ月が早い、遅い」を意識させないで   ←今回はココ

勉強は月齢とあまり関係がない

日経DUAL編集部 玉川学園小学部の保護者へのアンケートで「月齢順のクラス分けが入学の動機になったか」という質問をしたところ、「大きな動機になった」という回答はさほど多く見られませんでした。編集部としてはもっと大きな数字になるかと考えていたのですが。

「入試も筆記試験ではなく、月齢に配慮した面接形式で行っています」と話す後藤健・教育部長
「入試も筆記試験ではなく、月齢に配慮した面接形式で行っています」と話す後藤健・教育部長

後藤健 教育部長(以下、後藤) 月齢順クラスについての問い合わせは、実はそこまで多くはありません。早生まれのお子さんを持つ親御さんからは月齢順と知って安心しましたという声は聞かれますが、どちらかというと受験時の相談のほうが多いかもしれません。

―― 1年間月齢順のクラスで過ごした結果は、「劣等感を持つことなく過ごすことができた」「同じペースの子同士で過ごすので、学習の進み具合が合っていた」という感想を持つ親御さんもいらっしゃいました。玉川学園小学部が月齢を考慮したクラス分けを導入したのはいつからでしょうか?

後藤 約60年ほど前からです。小学校に入学し、がらりと環境が変わる最初の段階で、おのおのの成長に合わせたきめ細やかな指導をしていきたいという思いから始まりました。

―― 環境が変わるというのは、勉強が始まるからということでしょうか。

野瀬佳浩 小学部教務主任(以下、野瀬) 勉強は月齢とあまり関係がありません。生活の中で集団行動を取らなければならないということが、幼稚園や保育園との大きな違いです。周りのペースに合わせられず遅れをとる子は間違いなく出てきますし、遅れてしまう子の割合はやはり早生まれの場合が多いです

後藤 例えば、お昼休みにずっとお弁当を食べている、食べ終わらなくて遊びに行けないというような子は、圧倒的に年少クラスの子ですね。4月ごろは、放課後に疲れて教室で眠ってしまうような子も見かけました。

野瀬 本を読むペースにも違いを感じます。目で文字を追うスピードが月齢によって異なるので、4月生まれの子が教科書をスラスラ読めていても、早生まれの子が読むとつっかえてしまうというシーンをよく見ます。それはただ読み慣れていないだけではなく、目を的確に送れないという動体視力の発達の問題があります。

次ページから読める内容

  • 生活年齢=生きてきた経験の違い
  • 親は月齢を意識してもいい
  • 「つ」の付く年齢のうちに子どもに自信を与えてほしい

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