以下より、早川依里子医師のお話をお届けします。
体の機能が未熟な子どもは大人より冷房の影響を受けやすい
頭痛、腹痛、食欲低下、下痢などの“冷房病”の症状は、基本的に子どもも大人も同様です。成長途中で、様々な体の機能が未熟な子どものほうが、冷房による影響をより受けやすく注意が必要です。
子どもの場合は不調をなかなか言葉で表現するのが難しいので、「何となくダルそう、元気がないかな?」と大人が気付いてあげることが大切です。子どもの体調変化に気づいたときにはまず、「冷房設定は適切か、冷たいものばかり摂取していなかったか」など、1日の過ごし方で何か気になることはなかったか確認してください。
エアコンの設定温度は、外気温から−5℃以内、27~28℃がいいといわれています。ただ湿度や空気の循環状態も重要ですので、子どもや大人が「肌寒い」と感じたり、逆にジワジワと汗をかいたりするようなら、設定温度を変えたり、扇風機なども併用したりするのがよいでしょう。
ただ冷房病に見られる症状は他の病気でも生じかねません。夏場の腹痛やだるさがイコール冷房病というわけではありません。経過を見ていただき、良くならないようなら受診をおすすめします。
規則正しい生活を心がけることが子どもの冷房病予防には大切
夏場でもシャワーだけで済ませず、湯船で体を温めることは大切です。シャワーは体を洗う方法であり、温める方法ではないと思ってください。「ぬるめのお湯にゆっくり漬かって体を芯まで温め血行を良くする」という入浴法は、昔から伝わる知恵として子ども達に継承したいものです。
冷房病にならないために何より大切なのは、毎日の過ごし方です。「早寝早起き」「栄養バランスの取れた3食」「適度な運動」が冷房病になりにくい体を作ってくれます。
次ページでは、ワーママ達のエアコン活用術をご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。