現地採用での海外移住で、実際にかかる支出をシミュレーション

 ざっくりと固定費を中心に支出の総額(夫婦二人と子ども一人の生活費)を計算してみると次のようになります。

<夫婦二人と子ども一人の生活費(一カ月)>

住居費30万円
教育費10万円
医療費・保険料 6万円
通信費1.5万円
水道光熱費1.5万円
食費 5万円
その他 5万円
合計59万円

 これは決して贅沢をした金額ではなく、物価から考えると工夫をしないとやりくりすることが大変なレベルです。平均月収から考えると支出は2倍となるので、やはりシンガポールでは共働きでないと家計を回せず、実際多くのカップルが共働きです。

ローカルの公園。「公園は無料ですが、年中暑いので有料プレイグラウンドで遊ばせることが一般的です」(花輪さん)
ローカルの公園。「公園は無料ですが、年中暑いので有料プレイグラウンドで遊ばせることが一般的です」(花輪さん)

 実際には、シンガポーリアンの場合は住宅購入の際に補助があり、学費も少なくて済むのでもう少し固定費は減ります。また、駐在で滞在している日本人世帯の場合も、企業によって異なりますが、家賃、学費、医療費、帰省費などの補助、中には出産費用や日本などからの物資の買付コストの補助(送料など)がある場合もあり、その生活コストの差については触れないことが、大人のマナーになっています。現地採用のほうが一見額面が高く見える場合も、駐在のほうがすべてを込みにした収入が高くなることが多いのです(シンガポールでは家賃補助などすべての補助を所得とみなして課税対象となる)。