共働きの家計管理、悩ましいのがお互いの収入と支出の把握。前回の記事「共働き夫婦の財布、互いに『見える化』するのが鍵」では、夫婦の収入や支出をオープンにするほうがいいとFPの前野彩さんのアドバイスがありました。今回は共働きの代表的な家計管理3タイプについて、それぞれのメリットとデメリットを教えてもらいました。

夫婦で口座が複数あると管理が大変に

 DUAL世帯の家計管理において、ありがたくも悩ましいのは、「収入が2つあること」ではないでしょうか?

 収入が1つだけなら、振込口座が1つなので家計管理もラクなのですが、収入が夫婦で2つあると、収入口座が2つに分かれます。1人が保有する銀行口座は、3口座以上が約8割、そのうち、5口座以上ある人は約3割という統計(2012年「銀行の使い分けのアンケート調査」マイボイスコム調べ)もありますから、夫婦2人分の口座となると、合計いくらの収入があって、いくらのお金が家計から出ていくのか、分かりにくいのが現状ではないでしょうか。

 そこで、「他の人はどうしてるの?」という素朴な疑問に答えて、ご相談にいらっしゃるDUAL世帯を基に、代表的な家計管理パターンを3つに分けてみました。

「支出分担派」はお金がたまりにくい?

① 支出分担派

 共働きで多いのが、この「支出分担派」です。

 例えば、夫は住居費と水道光熱費、通信費を担当し、妻は、食費と教育費と医療費を担当し、その他のレジャーやお小遣いはそのときのお互いの懐具合によりけり……といった家計管理です。心当たりがある人も多いのではないでしょうか?

 このパターンでは、夫が主に自動引き落としの項目を担当し、妻が食費などを担当することが多く、支出の担当者が明確になることがメリットです。ただし、どうやって支出の分担を決めたのか?となると、線引きがやや適当だったりします。独身時代からの口座をそのまま使っていたり、その場その場で引き落とし口座を決めていて、口座が一本化されていない場合も多いようです。

 その結果、支出がいくらかかっているのかの合計額が分かりづらく、3パターンの中でもお金がたまりにくい傾向があります。

 自動引き落としの項目がそれぞれにある場合は、どちらかに集中させましょう。そうすると、自動引き落としの項目だけでいくらの支出があるのかが簡単に把握できるようになります。変更手続きを出すと、2~3カ月後には、一つにまとめることができるので、通帳を見るだけで引き落とし項目が分かるようにスッキリさせましょう。

 また、現金で使うお金も予算を決めて、定額引き出しするようにすると、家計管理が楽になります(蛇足ながら、お互いに何を負担するのかを見える化することにより、「私ばっかり払っている」というストレスから脱出することもできます)。現金の家計管理の方法については、過去記事「カード払いで失った『お金が減る感覚』を取り戻す」をご覧くださいね。それぞれの口座からどんな支出を負担するのか、ルールを決めて整えるとすっきり管理できますよ。