キッズマナー、誰が教えるのがベスト?

 子どもにマナーを教えることは、「保護者」(「親」)の役目であると思います。家庭での教育は、すべての出発点であり、基本的なマナーもパパやママ、またはおじいさんやおばあさん、時としてお兄さんやお姉さんなど、家族から日々の生活のなかで少しずつ学んでいくのが理想です。

 でも昨今は、核家族化が進み家族に年長者がいないのでしつけ方が分からない、地域の人間関係の希薄化でしつけを伝えてくれる人が周りにいない、また見知らぬ子どもに声を掛けにくいなどといったように、社会的背景がかつてとは変わってきています。だから、家庭ではマナーには殆ほとんど触れず、保育園、幼稚園、学校の先生にすべてお任せといったところもあるのかもしれません。

 また残念ながら、保護者を含め子どもを取り巻く大人のマナーが著しく低下していることも事実です。マンションの廊下ですれ違っても挨拶をしない住民、歩道いっぱいに広がって歩く学生、通勤電車の中で、まるで自宅にいるようにお化粧をする若い女性・・・など、具体例は枚挙にいとまがありません。

 そのような理由から、子どもにマナーの模範を見せることができる先生となる人が、もっとあちこちにたくさんいてほしいのですが、一番その役を担ってもらいたい、いえ中心になって担うべきなのは、やはり最も身近な保護者(親)だと思うのです。

 DUAL世代のパパやママは、目が回るほど忙しい毎日をお過ごしでしょう。改まって時間を割こうと思うとハードルが上がってしまいます。それより、普段の生活の中で、普通にマナーのお話をしてください。少しの時間で構いませんので、機会をつくって、ご自分のお子様の明るい未来のために、大切なことを伝えてあげてください。

 例えば子どもと一緒にお出かけしたときには、他人に迷惑を掛けず、自分自身も危険から身を守るための「公共のマナー」を教えることができますね。食事をしたときには、みんなが気持ちよく楽しく食事ができるように「食事のマナー」があるのだよ、と話題にすることができます。親子連れで人とすれ違ったときには、飛び切り明るい笑顔で「挨拶」をして、その意味を言ってあげてもいいですね。「へぇ、お母さん、すごい。何でも知ってるね」なんて、お子様に驚かれるかもしれませんよ。

 そうそう、そのためにはまずパパやママが、マナーについて意識することが必要ですね。当然ながら、子どもだけでなく大人の方にもマナーは大切なものなのです。周りの人から“感じがいい”と思われるすてきなマナーは、パパやママの人間関係も、仕事の成績も、きっとアップさせますから。

 では、子どもにどのようにマナーを指導するか、次回から具体的なシーン別にお伝えいたします。次回は『自分のことは自分でしよう~自立のために』がテーマです。お楽しみに。