なぜキッズマナーが大切なの?

 子ども達がマナーを学ぶことによって、思いやりの心を持って人と接することができ、またそれを行動として相手に伝えることができるようになったら、それはとても素晴らしいことだと思います。

 例えば、食事を取るとき、「いただきます」「ごちそうさまでした」という言葉の意味を知って、食材や料理を作ってくれた人に感謝の気持ちが表せたら、また自分のために何かしてもらったとき、すぐに「ありがとう」という言葉が言えたら・・・この子は、きっとこれからも人に愛される大人になっていくだろうと、明るい未来が見えるような気がします。

 「三つ子の魂百まで」ということわざがあります。これは「幼いころの性格は、年を取っても変わらない」という意味ですが、実は脳科学的にも、人格の土台の部分がこの時期に形成されるということが分かっているのです。

 ユニセフの『世界子供白書』では、「子どもが3歳になるまでに、脳の発達がほぼ完了する」と断言された文章を冒頭に見ることができます。さらに、「この期間に子どもがどのように発達するかが後の学校での学業の成否を決め、青年期や成人期の性格を左右する」とも述べられています。

 基本的なマナーが身に付いていない子どもは、大きくなっても、礼儀正しくけじめのある行動がとれなかったり、健全なコミュニケーション能力が身についていないなど、多くの場面で苦労するかもしれません。

 その子の学業成績だけではなく、性格までもがこの幼児期に決まるのであれば、社会に出てからも恥ずかしい思いやつらい思いをして困ることがないよう、周囲にいる大人が「思いやりの心」や「マナー」を子どもに示し教える必要があるといえるでしょう。マナーや、高い人間性・社会性は、お友達や、先生や周囲の人達みんなから愛される土台づくりとなるものです。