夫婦間でもなかなか話しづらい「子どもの性教育」をテーマにお届けする「男の子、女の子の性教育」特集第6回は、俳優の河相我聞さん(2男の父)、家事代行・ハウスクリーニングサービスのベアーズ専務で家事研究家の高橋ゆきさん(1男1女の母)、本特集でも専門的な視点からアドバイスをくれた、バースコーディネーターの大葉ナナコさん(2男3女の母)に編集部が直撃!

 先輩パパやママの皆さんは、「いつごろから、どのように子どもに伝え、どう接してきた」のでしょうか? それぞれ個性が際立つ先輩パパ・ママによる、独自の性教育とリアルな親子の会話をお届けします。

【男の子の性教育、女の子の性教育 特集】
第1回 朝立ちや自慰 子どもの性の芽生えに親はどうする?
第2回 家庭での性教育は、何歳から、何を教えたらいい?
第3回 小さい男の子、頻繁におちんちんを触るのどうする?
第4回 初潮はお祝いムード、精通はスルーではおかしい
第5回 小さな女の子に教えたい、性犯罪対策と性教育
第6回 河相我聞、高橋ゆき 性について子に伝えた大事なこと ←今回はココ

河相我聞さんは「あえて抑制しない」子育て中!

 まず最初に話を聞いたのは、現在41歳にして22歳の長男と、中学3年生の次男を育てる俳優、河相我聞さん。30歳を過ぎてから、それまで仕事に没頭し過ぎていろんなことがうまく回らなくなっているのを感じ、働き方、生き方、家族のことを見つめ直すようになったといいます。

 「家族がいるからこそ自分は頑張れているのではないか」と気づいた若き先輩パパは、これまで2人の息子にどのように接し、性教育についてどのように捉えてきたのでしょう。根本的に「“抑制”はいい結果を招かない」と考えているという河相さんの意見は、男子を育てるパパ、ママには特に参考になりそうです!

エロ本には堂々と興味を持っていい

「僕が子ども達と接するとき『親は絶対ではない』と姿勢が大前提」と、河相我聞さん
「僕が子ども達と接するとき『親は絶対ではない』と姿勢が大前提」と、河相我聞さん

河相我聞さん(以下、河相) 中学3年生の息子とコンビニに行って、いわゆるエロ本(成人向け雑誌)を手に取って「こういうの、読んでおけば?」なんて言って、「僕にはまだ早いです」って言われたりしています(笑)。でも僕は、異性に興味を持たなかったら君達は存在しないんだから、性について、堂々と興味を持っていいんだという話を常にしています。「彼女は早めにつくっておけ」とも話しています。

 実際には息子達は自分に彼女がいるかどうかは一切話してくれませんが、次男と「お兄ちゃんには彼女がいるのかな」「お兄ちゃんが今童貞だったら、妖精か魔法使いだろう」などと、世間からしたらオープンに話をしているかもしれません。

 子ども達に接するときには、「親は絶対ではない」というのが大前提。僕はこう思うけど、他の人は違う考えがあるから、いろんな人に聞いてほしいと伝えています。

 それから、何事においてもわが家は禁止事項を作っていないということ。例えば早い年齢からパソコンでも携帯でも、今ならスマートフォンでも好きなように使わせていますし、エロサイトだって見ようと思えば見放題です。親の監視下に置くようなことはしません。息子達は携帯代もそれぞれ自分で払っていますし、そもそも長男は高校、次男は中学進学と同時に、自分で稼いだお金は自分で管理させています。自分のお金だから自分の好きなように使えばいい、と。

 人によっては「好きに使わせたら、薬物など良くないものに手を染めるのでは?」という考えもあるでしょうけど、その場合は自分のことを傷つけたいと思っていたり、挫折をして現実逃避をしたいと思っていたり、恐らく違うところに問題があるはずなんです。お金を持っているから間違ったことをするわけではない。自分で稼いだお金で失敗すれば、身に付くモノも多いものです。エロサイトだって見て何か失敗したら、そこから何か学べばいい。

 親はいつまでも子どものそばにいられるわけではありません。どうやったらいいか悪いかを、自分で判断できるようになってもらいたいんです。

【次のページからの内容】
・息子には「若いうちこそ、様々な経験を」と伝えてきた
・子どもは「抑制する」と他のもので補おうとする
・「抑制する」のは子どものため? 大人の体裁のため?
・高橋ゆき流「完全オープン性教育のススメ!」
・息子には「初キスは大事に!」、娘には「本当に大切な人の前でしか足は開かないこと」
・大葉ナナコさん 10歳になる前に命の誕生を詳しく教えた