皆さんはマナーと聞くと、どんな印象を持っていますか。堅苦しいもの、形ばかり覚えなければならない面倒なもの――。そう感じる人もいるかもしれません。また、挨拶ができなかったり、公共の場で大騒ぎをしてしまったりする子ども達に、その場限りの注意だけでなく、根本的にマナーを教えたくても、「どう伝えればいいの?」と悩むこともあるかもしれません。そこでDUALではキッズマナーの専門家で、幼児教室の講師でもある東節子さんによる「子どものマナーと教え方」についてのコラムをスタートします。初回は、マナーとは何? ということから、ルールやしつけとの違い、また子どものマナーの大切さなどを紹介してもらいます。

幼児でも、日常の立ち居振る舞いなどに大きな個人差

 こんにちは! 日本マナーOJTインストラクター協会(JAMOI)認定キッズマナーインストラクター、幼児教室講師の『こどものマナー改善士』東 節子です。

 私は、国内系航空会社の客室乗務員として、大学在学中から30年間接客接遇の仕事に携わってきました。退職後は、JAMOIで再度マナーを勉強し、目下インストラクターとして“マナーの大切さ”を社会に伝えるべく教育や研修業務に携わっています。

 また、同時に大手進学塾系幼児教室の講師も務めており、これまで様々な子ども達を見てきました。最近は挨拶ができない子や人の目を見て話ができない子、公共の場で大騒ぎをしたり、他人に対して正しい振る舞いや言葉遣いができない子ども達が、随分増えています。(実は大人もそうなのですが・・・)

 教室で出会う子ども達は、ほとんどが生まれてまだ数年ほどしか経っていません。それなのに、子どもによってなんと差があるのでしょう。字の読み書きや数などの勉強はこれから学んでいくものですが、それ以前に身に付いた日常の態度や基本的な立ち居振る舞い、そこには大きな個人差があり、とても驚きました。

 その差とは、子どもの性格や反抗期などという問題とはまた別で、実はほとんどが子どもの周りにいる大人に起因するものなのです。子ども達が接する大人の意識の差が、そのまま子どもに伝わっているともいえるでしょう。なぜなら、マナーやしつけといわれるものは、子どもに先天的に備わっているものではないからです。この時期の子どもは、何が正しく何が間違いかということを教えてもらわなければ分からないのです。ですから、子どもには、できるだけ早い時期から正しい情報を伝える必要があるのです。これが子どもの将来に大きく関わってくることになるのですから。

 今回は、マナーとは何かということから、ルールやしつけとの違い、また子どものマナーの大切さをお話ししたいと思います。また後半には、子どもが集団生活を送るまでにどのようなマナーを身に付けたらいいのかをシーン別に具体的に示し、また指導の仕方もお伝えします。

 パパやママも、お子様とご一緒にマナーについてもう一度見直し、考える機会にしていただけたらうれしいです。