妻の仕事にも、“一番近い他人”だから言えることがある

 オリエンタルラジオでの活動に関しては、コンビ間で言い合っているつもりです。ただ、個々の活動は、独立しています。

 「オリエンタルラジオ」「藤森慎吾」「中田敦彦」は、違う商品を売っています。

 ファッションブランドでいうと、「ユニクロ」と「GU」の関係に近いでしょうか。同じファーストリテイリングのグループではあるけれど、独立した別ブランドという。ユニクロのブランディングを考える人が、GUのブランド担当者に相談しないですよね。

 「中田敦彦」の活動に関して、藤森はほとんど介入してきません。コンビですから、個人の活動が落ち込んだとき、片方が活躍していれば引っ張り上げることはできます。とはいえ、別ブランドであり、ライバルなんですよね。

 その意味で、妻は「中田敦彦」ブランドの副社長です。

 うちの副社長は、「ビビるな」「いけいけ!」と、かなり攻め気でして。その強気には、社長である僕ですら躊躇するほどですが、攻めの姿勢には、ママ友間の温度など、生活に密着しているからこその情報アンテナに裏打ちされているところがあって。冷静に判断してくれていることが分かるので、信頼しています。

 僕のほうも、妻の仕事に対して言えることは言います。仕事をしているときの妻も好きだし、「タレント福田萌」を、できるだけ引いた目で見るようにしています。

 誰しも、自分自身の武器って見失いがちなんですよね。長所って、人から見たら優れた能力なのに、自分にとっては当たり前に備わっているから気づけなかったりして。

 地方ロケに行ったとき、地元の人に名物を尋ねると、「ここには何もない」と、ほぼ100%返ってきます。でも外から来た者にすれば、「ここのキノコ、すごくおいしいですよ!」ということがよくあります。

 地方の活性化って、実は地元出身の人にはできません。地元民がプロデュースすると、知り過ぎているゆえにその良さを客観視できず、思い入れの強さも裏目に出て、とんちんかんなものを売り出していたりするじゃないですか。

 真っ新な目で捉えられる外部の人間だけが、本当の観光資源を見つけることができる。そう僕は地方に行くたびに感じます。