例えば70歳のとき、暮らしている部屋を何らかの理由で出ることになった。別の部屋を新たに借りようとする際、仕事もない、身寄りもない、保証人もいないとしたら…断る貸主が少なくないそうです。妻は、「今は賃貸でいいのだけど、老いたときあふれちゃわない?」と問うてきました。

 この意見が浮上して、僕の考えは少し改まりました。ついの住み家は持っておくべきだな、と。

豪邸は要らない。買うのは「ついの住み家」でいい

 では、どこに水準を定めて家を買うか?

 1LDKを買おう、というのが濃厚です。

 娘は、ある程度の年齢になれば完全に家から出て、一人暮らしをしてもらおうと決めています。だから、娘が巣立つ、夫婦二人が残る。いずれ老いた夫婦のどちらかが死を迎える。夫婦の老後と、残った1人のための家、という想定です。

 豪華である必要はありません。死ぬ前の部屋ですからね。

 そのうえで、車を運転しなくても近くに生活に必要な店やものがそろっている、病院も近い…となると、「都心に1LDK」との考えに至りました。

 ついの住み家ですから、今すぐローンで買う必要はありません。必要となる少し前に、できればキャッシュで買いたい。

 「50~55歳前後で、数千万円の1LDKを買う」となれば、今からいかにして貯金しなければならないか、逆算ができるんですよ。15~20年後に照準を当て、目標金額を決め、そのときに満期になるような保険だなんだって含めて、貯蓄を考えます。

 すると、1年でいくら、1カ月でいくらためないといけないかも明確になります。ためるべき金額が夫婦で共有できていますから、もしも少し目標金額に足りなければ、「今年の旅行は近場で楽しもうか」といった建設的な行動をとることもできます。

 20年後の物件購入に向けて今から準備をし、購入する物件はそこから20~30年暮らすことに向いているわけですね。