10歳の息子のオナニー現場を目撃 子どもの自慰と親の心得

 日経DUALが行ったアンケートでは約1割の読者が子どもの自慰(マスタベーション/オナニー)行為に戸惑いや悩みを感じています。「天使のようにかわいいわが子がオナニーをするなんて!」と衝撃を受けたという人もいることでしょう。「まだ10歳なのに」と眉をひそめ、「やめさせたほうがいいのか」と今、まさに対応に困っている人へ向けて、池上さんに対処法を聞いてみると。

 「子どもの個性にもよりますが、基本的にはそっとしておいて大丈夫。もし子どもが何か聞いてきたときには話をするのもいいですが、親が自慰行為を目撃したからと“なぜしたいと思うのかじっくり話そうよ”などとなると、次回からは絶対にその話題に触れられたくないとなりがちです」

 第二次性徴を迎え、思春期前夜ともいえる子ども達。自慰行為に関して、親があまり詮索をしたり干渉をしたりすることは、良好な親子関係の観点からも逆効果になりそうです。

 それでも10歳は早いのでは…とつい心配になってしまいますが、金子さんによると、男の子の勃起と射精には“気持ちいい”という快感があるので、精通をきっかけに自慰を始める子が多いそう。自分の身体や性器を触って快感を感じる性的な行為が自慰であってペニスに触ると気持ちいい、安心するというのは赤ちゃんのときからある感覚。これは女の子にもあるものです。

 また、「昔は自慰をし過ぎると病気になるなどの言い伝えもありましたが、そんな科学的根拠はもちろんありません」と池上さん。過度に心配しなくても射精すると全力で走った後と同じくらいの疲労感があったり、繰り返すとペニスが痛くなったりするので、し過ぎるといっても限度がある、と池上さんは解説します。

 「自慰を始めたばかりのころなどは、新しいゲームを手に入れたのと同じように、一時期夢中になってしまうかもしれません。それも、コントロールできるようになっていくものです。それよりむしろ、将来の性交を考えたら勃起と射精の訓練はしておいたほうがいいんですよ」と金子さんも前向きな姿勢。

 「女の子も、何かの機会に偶然“気持ち良さを発見”したことをきっかけに自分の性器を触るのが癖になったり、自慰行為に目覚めたりするもの。男女問わず、自慰行為は自然な成長と受け止めるのがいいでしょう」(金子さん)