「日本では初潮はお祝いムードであるのに、精通は見なかったことに、とスルーする家庭が多いですよね。でも本当は、“お父さんになれるしるしが出たんだ”ということをお子さんに教えてあげてもらいたいです。精通でパンツが汚れているのをこっそり洗ったり、それが見つかって母親に“何してるの”と怒られたりというのは本来おかしな話」とは、NPO法人ぷれいす東京理事で日本性教育協会副委員長も務める池上千寿子さん。
初潮も精通も、本来は「親になる体の準備」のしるし
「父親、母親になる体の準備が始まった」という点において、月経も精通も本来は同じ意味で、大人の道に向かって健やかに育ってきてよかったねと祝うべきこと。男女ともに親になる力が付いたということなのだから、初潮をお祝いする気持ちと同じように、精通も「良かった」「おめでとう」という気持ちでいたいものです。
精通にしても同性の父親から「いやらしいこと考えてたんじゃないのか~?」などとネガティブなフォローをするのはNG。体の変化において、同性の親からのネガティブな反応は、子どもにとってより影響力が大きいもの。同性だから気持ちが分かるはずと過信はせず、むしろ異性の親が分からないなりにポジティブなフォローをしたほうがいい場合も多いと池上さんは注意を促します。
月経や精通(射精や夢精)について分からないことがあれば、子どもの保健の教科書を参照したり、『マンガ おれたちロケット少年』『マンガ ポップコーン天使』など分かりやすく解説しているマンガを参考文献として活用したりするのも手。
池上さんは「自分が持っている知識の範囲内で無理に答えようとしないほうがいいですね。今の親世代は親自身も詳しく理解していない人が多いので、子どもが興味を持ち始めた時期に合わせて“一緒に見てみようか” “へえ、そうなんだね。知らなかった”など親子で理解を深めていくのもいいでしょう」と勧めます。