両立を完璧に目指した復帰1年目。父の突然の死に後悔

 子どもが1歳2カ月のタイミングで保育園に入ることができ、仕事復帰。ちょうどそのタイミングで女性の活躍を推進し、キャリアカウンセラーの資格を生かせる部署ができたので、産前とは違う新しい部署に復職することになりました。

 同じ部内には、先輩ママがいたのですが、家庭は後回しにしているような、いわゆるバリキャリ型に見えました。とにかくスピード感が早く、土日もメールが飛び交います。「子どもがいるから無理だよね」と同僚から言われることもあり、打ちのめされていました。

 私は昔から負けず嫌いで育児と仕事、両方完璧にしたいタイプです。平日の朝と夜は手作りと決めて、土日のどちらか1日かけて、カレーや常備菜作りをしていました。一方、夫はバランス型。そんなに頑張らなくてもいいじゃない、と言われていました。

 育児と仕事で追われる中、父ががんを再発。余命半年と言われていたのが、2カ月で亡くなりました。あまりに突然の別れだったので、病院へのお見舞いも頻繁に行けないまま。大切な人と残された時間をうまく過ごすことができなかったことは、今でも後悔しています。

娘をたたいてしまい、自分の働き方を変えようと決意

 父の死をきっかけに、自分の働き方を考えるようになりました。そろそろ辞めようかなと思った復帰2年目、自分がやりたかった企画コーディネートの仕事ができるようになったのです。夫や実母に手伝ってもらいながら土曜出勤するほど、仕事にのめり込みました。

 転機が訪れたのは、2015年10月。夫が内示を受け、翌年4月から単身赴任することになりました。その準備も兼ねて平日たびたび出張するようになったのです。夫は、毎日の保育園の送りと週1回のお迎えを担当。食器洗いなどの家事もする、本当に家事・育児を私と半分ずつやっている人でした。夫がいない日が増えたことで、私の負担が激増。改めて夫のありがたさを感じたと同時に、今まで以上にバタバタした日々を送ることになりました。

 そんなある平日の朝、当時2歳の娘が牛乳をラグにこぼしてしまい、思わず娘をたたいてしまったのです。もちろん娘は大泣きして、何も進まない状況。しゃくりあげて泣く子どもを抱っこしながら、牛乳をこぼしてしまった娘を気遣うのではなく、ラグの心配をしてしまった自分に気が付き、「このままではダメだ」と思いました。

 それ以来、娘も情緒不安定になり、いよいよ自分の働き方を変えないといけないと考えるように。2015年の12月に退職を決意し、夫の単身赴任に備えて2016年3月末に仕事を辞めることにしました。