子どもが生まれると、多くの育児グッズが必要になります。そのときどきで「本当に必要?」「どれがいいかな?」と判断を迫られながら、買い足していったり、人からいただいたりするわけですが、どうせ購入するなら、愛着を持って使い倒せるものを選びたいですよね。でも、ママ目線だけで購入すると、パパが恥ずかしがったりして使ってもらえないことも…?

 そこで今回、DUALではパパの目線も重視した「育児・教育グッズの選び方&ベストバイ」特集を展開します。かっこいいモノ、こだわりのモノを語らせたら右に出る人はいないというパパライター3人に、幼児~小学生の間に必要になってくるオススメの製品をリサーチ・紹介してもらいました。この記事では、自転車やアウトドア製品に詳しいパパライター・佐藤旅宇さんによる「カッコ良くて使える おすすめの最新パパチャリ」を集めました。

【パパが選ぶ育児・教育グッズ&ベストバイ 特集】
第1回 パパ・ママ200人調査 最も役に立ったグッズは何?
第2回(上) パパが押したくなるベビーカー10選
第2回(下) 目的別、パパのおすすめの最新ベビーキャリア
第3回 カッコ良くて使える おすすめの最新パパチャリ ←今回はココ
第4回 パパからわが子へ 夏に贈るランドセルと文房具
第5回 小学校入学で検討したい、携帯電話や防犯グッズ
第6回 パパと子どもで楽しむ 進化する夏おもちゃベスト3

パパだって自転車に子どもを乗せて走りたい!

 いまや子育て中のママ、パパの交通手段として当たり前の選択肢となった子供乗せ自転車。筆者もよく自転車で長男を幼稚園まで送迎していますが、気軽に寄り道ができる、ガソリン代がかからない、適度な運動になるなど、クルマでは得られない様々なメリットがあります。実際に普及は進んでいるようで、電動アシスト自転車の販売台数におけるチャイルドシート設定車の割合は、2013年が17パーセントだったのに対し2015年では27パーセントにまで上昇しているとか(GfKジャパン調べ)。

 さて、この子供乗せ自転車、たしかに便利で楽しい乗り物なのですが、その多くは需要を反映してママ、つまり女性向けに作られているのがパパには悩ましいところ。カラーリングも含めたルックスはもちろんのこと、とにかく使いやすさを重視して設計されているので、いわゆる「ママチャリ」っぽいんですよね。筆者も含め、乗り物好きが多いお父さんにとってみれば、もう少しカッコ良さ、趣味性があってもいいのになというのが正直なところです。

 もっともその辺りの事情はメーカーさんも把握しているようで、最近はマットカラーなど、男性を意識したカラーラインナップを展開する車種も少しずつ増えてきました。また、先日発表されたブリヂストンの電動アシスト付き子供乗せ自転車「bikke GRI(ビッケ グリ」は、夫婦共用を前提にデザインしたと明言しています。育児に積極的な男性が増えている昨今なので、この流れは今後も加速していくことが予想されます。

 きょうのパパライター 佐藤旅宇さん 

 クルマ、自転車、オートバイなど、主に乗り物系メディアで執筆するフリーライター。3歳と2歳の息子をもつ父親でもあり、現在、家族がゆったりと住める広めの中古マンションの購入を検討中。妻はピアノ講師。神奈川県出身の38歳。

スポーツサイクルをカスタマイズする手もある

 ちなみに筆者はスポーツサイクルをカスタマイズして子供乗せ自転車として使っています。クロスバイクをベースにキャリアとチャイルドシート、両足スタンド、フロントバスケット、太目のタイヤなど、子どもを乗せるために必要なパーツを装着し、車体+パーツの合計金額は大手メーカーの子供乗せ自転車(電動アシストなし)と同じぐらいでした。

 自分の好み通りカスタマイズしたのでルックスは満点。走ってもスポーツサイクルらしく軽快で楽しいのですが、やはり使い勝手という点では専用に作られた自転車には到底及びませんね。具体的に言うと子どもの乗せ降ろしをする際の安定感が大きく違います。荷物と子どもを乗せた状態で自立することが難しく、乗せ降ろしにはかなり気を使います。

 ところが最近はスポーツサイクルの世界でも子供乗せ自転車のベースに適したモデルが続々と登場しています。これらの自転車はスポーツサイクルでありながら、チャイルドシートの取り付けが可能な頑丈なキャリアを装備しており、前後車輪の間隔(ホイールベース)を長く設計することで、重い物を載せたときにも不安定になりにくくなっているのが特徴です。電動アシストは付いていなくても軽い車体と高性能なパーツ(車輪やギア、ブレーキなど)が装備されているため、キビキビと気持ち良く走ることが可能です。

 電動アシスト自転車はたしかに坂道は楽ですが、正直あまりフィーリングが気持ち良くなく、用も無くわざわざ遠くまで走りに行こうという気は起きません。その点これらの自転車は日々の移動手段としてだけではなく、サイクリングなど「趣味」として付き合うことができます。欠点としては価格が高いことと、幼児二人乗りには対応していないことでしょうか。

筆者が普段使用している自転車。使い勝手は子供乗せ専用に作られた自転車にはかなわないが走りの楽しさ、気持ち良さはこちらに軍配が上がる。パーツを合わせて約8万円ほどの費用がかかった(Photo_KEN TAKAYANAGI)
筆者が普段使用している自転車。使い勝手は子供乗せ専用に作られた自転車にはかなわないが走りの楽しさ、気持ち良さはこちらに軍配が上がる。パーツを合わせて約8万円ほどの費用がかかった(Photo_KEN TAKAYANAGI)

 ここではそんなパパの目線で選ぶ子乗せ自転車、または子乗せとして使いやすいスポーツサイクル、そしてチャイルドシートをはじめとする自転車アイテムを紹介します。

 よく自転車移動は「点」ではなく「線」の移動などと言われます。クルマや電車に比べると、周囲の風景がダイレクトに目に入ってくるため、移動中も様々なインスピレーションを得ることができるからです。それは後ろに乗る子供だって同じ。この夏休みはカッコいい「パパチャリ」と共に思い出作りのサイクリングに出かけてみてはいかがでしょうか?

「夫婦共用」を前提に開発されたニューモデル!

 ①ブリヂストンサイクル「ビッケ グリ」

 最初から夫婦で共用することを想定して設計された新しい子乗せ電動アシスト自転車。特徴としてはまず直線を基調とするフレームデザインの採用。これまでの子乗せ自転車に比べてややスポーティーな印象となっています。機能的にもなかなか斬新で、ブリヂストン独自の技術「デュアルドライブ」を搭載。これはメンテナンス性に優れたベルトドライブと前輪モーターによって、両輪駆動で走るシステムのこと。雨天時や登坂時など、不安定になりやすいシチュエーションでも安定感のある走りが可能です。

チャイルドシートやサドルカバーなど、豊富に用意されたアクセサリーを組み合わせることで様々なコーディネートを楽しむことができる
チャイルドシートやサドルカバーなど、豊富に用意されたアクセサリーを組み合わせることで様々なコーディネートを楽しむことができる

  また、前後で径の違うタイヤを採用しているのもポイント。前輪には段差を乗り越えやすいよう少し径の大きい24インチタイヤ、後輪は径の小さな20インチタイヤを採用することでチャイルドシートの取り付け位置を下げ、子どもの乗せ降ろしをしやすくしています。もともとこの「ビッケ」は子どもの成長や家族構成に応じて仕様やカラーコーディネートをカスタマイズできるのがコンセプトのシリーズ。ぜひパパが乗りたくなる理想の1台を作り上げましょう。幼児2人同乗基準適合。9月下旬発売予定。

 Spec 

価格 13万3800円(税抜き)
タイヤサイズ 24インチ(前輪)、20インチ(後輪)
変速数 内装3段変速
一充電あたりの走行距離の目安 74㎞(エコモード)、54㎞(オートモード)、37㎞(パワーモード)
車体重量 32.1㎏
フレームカラー T.Xディープグリーン、E.Xリバーブルー、E.Xアンバーオレンジ、E.XBKホワイト、E.XBKダークグレー
充電時間 約3時間40分
問合せ ブリヂストンサイクル http://www.bscycle.co.jp

ディープグリーンのほか、リバーブルー、アンバーオレンジ、ホワイト、ダークグレーがある
ディープグリーンのほか、リバーブルー、アンバーオレンジ、ホワイト、ダークグレーがある

<次ページからの内容>
・「パパ専用」自転車
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・サイクリングも楽しめる
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