性教育なんて、戸惑って当たり前だった!
「どうしてパパにはおちんちんがあって、ママにはないの?」
「ママは、血が出てるけど、病気なの?」
「あかちゃんは、どこからくるの?」
「セックスって、何?」
子どもに聞かれたら、ちょっと戸惑いそうな質問です。
「こんなことを聞くなんて、今の子はやっぱり早熟なのかしら」「情報社会だから、テレビで色々見聞きしている影響?」などとあれこれ考えて、突然の質問にうまく答えられなかった…そんなパパママも多いかもしれません。もしかしたらつい、「また今度ね」と答えてしまって「もっとちゃんと調べて答えるべきだったのでは」「おしべとめしべの話をするべきだったか…」などと後悔している人もいることでしょう。
でも実は、戸惑うのも当然なんです。
一般財団法人ベビー&バースフレンドリー財団・公益社団法人誕生学協会代表理事でバースコーディネーターの大葉ナナコさん
「日本の性教育元年は1992年、小学校理科と保健に性教育が登場した年で、性教育という言葉自体が文部科学省(当時、文部省)で統一されたのは1999年とされています。そもそも日本では、1985年に厚生労働省のエイズ調査検討委員会により、日本人初のエイズ患者が認定され、ようやく『避妊教育』が始まったくらいなんです」と話すのは、一般財団法人ベビー&バースフレンドリー財団・公益社団法人誕生学協会代表理事他を務めるバースコーディネーター、大葉ナナコさん。
「性教育はまだ科学になっていない分野ですし、親の時代にはなかった言葉です。模索して当然なんですよ」(大葉さん)。
つまり、自分が子どものころにはなかった「性教育」というものが、今では子どもが小学生になると教科書まで用意されているというのが今の親世代。
もしかしたら自分自身が子どものころに、赤ちゃんが生まれる仕組みや男の子と女の子の違いを親に聞いたら「そんなこと聞かなくていいの!」「そのうち教えてあげるから」などと、困られたり叱られたりしたことがあるという人もいるかもしれません。
だからつい「学校で教えてくれるなら家で教えなくてもいいかな…」と消極的な気持ちになってしまう人もいるのでは?
でもそれは、とてももったいないこと。「性教育を特別に考える必要はありません。知識がない、恥ずかしい…と自分の気持ちの問題が先になるから、特別なことになってしまいますが、子どもにとって、性への関心は他のことへの関心と何ら変わりはありませんから」とNPO法人ぷれいす東京理事を務める池上千寿子さんは、ほほえみます。
「なんで、ママにはおちんちんがないの?」はピュアな質問!
「なんでパパにはおちんちんがあって、ママにはないの?」という子どもの質問は「なぜ空は青いの?」というのと何ら変わりのない、純粋なもの。こうした質問をされたときこそ「チャンス到来!」と捉えて、逃げないことが大事と池上さん。「『そんなこと聞かないで』とか『大きくなれば分かるよ』と逃げ腰になるのではなく、質問にちゃんと向き合い、逃げずに受け止めてもらいたい」とエールを送ります。
35年間、中学校の養護教諭として勤務し、“保健室の先生”として多くの子ども達と接してきた、“人間と性”教育研究所所長などを務める金子由美子さんも、「性に関して後ろめたさや卑猥感を感じたり、“アダルト”などと一緒にしてしまうのはあくまでも大人の考え方によるもの」と指摘します。
次ページから読める内容
- 学校で教えられる性教育だけでは、根本的な性への理解が欠如しがち
- 性教育は、何歳から、何を教えたらいい?
- 夫婦で大枠の方向を決めて、詰め込み教育は禁止!
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