「赤ちゃんはどうやって生まれるの?」「なぜ男の子と女の子は体のつくりが違うの?」「セックスって何?」など、子どもから素朴な疑問を聞かれてドキッとしたことはありませんか? まだ幼いと思っていたわが子に突然現れる「性」の兆候。戸惑ったり、悩んだりしてもなかなか人に相談できないという人もいるでしょう。そこで、日経DUALでは、「男の子の性教育、女の子の性教育 特集」を企画。性に関する子どもの疑問にどう大人が答えるべきか、専門家がアドバイスします。

 成長とともに現れる子どもの性の兆候に対して親はどのような悩みや関心を持ち、どう子どもに伝えているのか。気になりつつも、公の場では話す相手を選びがちな“子どもの性”に対する本音や実態を、DUAL読者へのアンケートから探りました。

【男の子の性教育、女の子の性教育 特集】
第1回 朝立ちや自慰 子どもの性の芽生えに親はどうする? ←今回はココ
第2回 家庭での性教育は、何歳から、何を教えたらいい?
第3回 小さい男の子、頻繁におちんちんを触るのどうする?
第4回 初潮はお祝いムード、精通はスルーではおかしい
第5回 小さな女の子に教えたい、性犯罪対策と性教育
第6回 河相我聞、高橋ゆき 性について子に伝えた大事なこと

【アンケート概要】日経DUALの読者を対象に2016年6月15日~7月14日にインターネット上で実施。147人(女性111人、男性36人)の回答を得た。回答者の平均年齢は41.5歳。子どもの性別は男の子のみ35.9%、女の子のみ27.6%、男女両方36.6%。子どもの年齢(複数回答)は0~2歳が33.8%、年少~年長が35.1%、小学1~3年生が49.7%、小学4~6年生が31.0%、中学生以上が17.9%。回答者の子どもの人数は、1人が36.1%、2人が46.3%、3人が15.6%、4人以上が0.7%。(注)記事中のグラフの数値で合計100にならないのは小数第2位以下を四捨五入しているため

7割超のママが子どもからの性に関する質問を経験済み。幼児期から興味津々

 日々、様々な知識や情報を得ながら成長する子ども達。「どうして虹はできるの?」「涙はどうして出るの?」など、親は子どもの純粋な好奇心にできる範囲で答えようと対応する一方で、性に関する疑問は戸惑ったり、うまく答えられなかったりと難易度が高く感じる内容の一つです。

 「子どもから性に関する質問をされたことがある」と答えた人は、60.0%。「ない」と答えた人は、37.9%でした。男女別に詳しく見てみると、「ある」と答えた男性が32.4%、女性は68.5%という結果に。「ない」と答えた男性は61.8%、女性30.6%と、父親より母親へ性に関する質問が集中する傾向が見られました。

 子どもの性別でみると、「ある」と答えたのは、子どもが男の子のみ(51.9%)、女の子のみ(55.0%)、男女両方(71.7%)という結果に。身近な異性のきょうだいがいる場合のほうが、日常で関心を抱いたり、質問しやすかったりする環境にあるようです。

 さらに、子どもの年齢別でみると、小4(94.4%)、小6(91.7%)、年長(82.4%)、小1(81.3%)、年中(75.0%)、小3(72.7%)の子どもを持つ親の層で7割超え。第二次性徴の前後だけでなく、好奇心旺盛な幼児期にも子ども達は素朴な疑問や関心を持っており、親の言動は、子どもの“性”に関する知識やイメージの最初の入口として大きな影響をもたらします。

「月経」「童貞」「精子」など、身近な生活やテレビ・漫画から興味が芽生える

 DUAL読者が子どもによく聞かれる質問内容について聞いてみました。

 「ママの月経(生理)について」(60.9%)を筆頭に、「体の構造や男女の違いについて」(59.8%)、「赤ちゃんができるまで」(52.9%)という回答が上位に挙がり、「赤ちゃんはどこから(どうして)生まれてくるの?」(40歳/年少、小1男女のママ)という生命の起源に関する質問のほか、「ドラマを見ていて童貞って何?と聞かれた」(44歳/年少、小4、小6、中学生男女のママ)、「精子を知っているか」(50歳/小2、小5男女のパパ)という具体名で問われるケースも少なくありません。

【次のページからの内容】
・「月経」「童貞」「精子」など、身近な生活やテレビ・漫画から興味が芽生える
・読者の半数以上が子どもの質問に「上手に答える自信なし」 性の芽生えとお悩みBEST5
・「正しい知識を理解すれば、異性を理解しお互い尊敬できる」と約8割のDUAL読者が回答
・「子どもの性」に対する夫婦のギャップと相談相手
・性を前向きに子どもへ伝えるために、家庭での実践事例