遊びも取り入れながら仲間との連帯感を深める
一方、うさぎは豚汁に入れる食材を切っていきます。うさぎがカブスカウトの活動中に包丁を使うのはこの日がはじめて。家でお手伝いの経験があるかどうかで手さばきやスピードに差はあるものの、ヌルヌルしたこんにゃくやにんじんの固さなど、食べものの感触を楽しみながら和気あいあいと進めていました。
野菜を切り終え、作業場を片付けたうさぎは遊んで待つことに。遊びといっても、カブスカウトの遊びにはある目的が込められています。
「カブスカウトは料理などだけでなく遊びも活動の中に取り入れていますが、どの遊びもチームワークを重視するものになっています。その中で培った連帯感が、活動の中でも生きてくるんです」(カブスカウト隊長・佐藤直さん)
今日行ったのは円形に結んだ縄を使った、二人一組のチーム対抗戦のゲーム。ひとりが縄を投げたら、もうひとりがその縄に向かってジャンプします。うまく縄の中に着地できなかったらやり直し。これを交互に繰り返し、先にゴールに着いたチームの勝利となります。縄を投げる人は飛ぶ人がどれだけの距離をジャンプできるか、常に相手のことを考えながら投げることになり、息の合った連携が試される遊びでした。
そうしている間に、豚汁が完成! 火をおこしたり、体を動かしたり、子ども達はみんなお腹がぺこぺこ。みんなで仲良くご飯を食べ、後片付けをして終了となりました。
カブスカウトの活動には子ども達だけでなく、大人達も関わっています。指導者はボーイスカウト経験者が中心ですが、ボランティアでの手伝いであれば未経験の保護者でもOK。参加していた保護者の方にも話をうかがったところ、「カブスカウトでは大人の目が行き届いているので、多少の危険があっても子どもにどんどん挑戦させることができる」「子どもが何かに真剣に取り組む姿が見られて嬉しい」「手伝いという立場ではあるけれど、団体に関わることで自分自身も色々な体験ができている」などの声がありました。子どもだけでなく、参加している保護者にとっても特別な体験となっているようです。
取材・文/小沼理(かみゆ)